337 / 459
第十三章・31
すると、ヴァフィラは首を横に振った。そういう意味じゃない、と。
「でも、お前に対する感謝の気持ちは変わらない、と言いたかったんだ。あの後、眠ってしまった私に色々と世話を焼いてくれたんだろう?」
今の自分の状態で、それがよく解かる、とヴァフィラはそこでようやく頬を染めた。
体はさらりと気持ちがいいし、寝具もお日様の香りがした。
寝室は品のいい匂いに満ちていたし、毎日悩まされていた喉の渇きがまるで無かった。
「だから、大人になったのは少しだけだ。まだまだ、ルドーニに甘えてしまうからな」
「そんなッ、ヴァフィラぁッ!」
くうぅッ! とルドーニは悶えた。
「可愛い! 可愛いよ、ヴァフィちゃんッ!」
「可愛いとか言うな! 私は大人だと言ったろう!」
「わぁあ! すっ、すみません!」
ヴァフィちゃん、やっぱ怖い!
ともだちにシェアしよう!