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第十三章・31

 すると、ヴァフィラは首を横に振った。そういう意味じゃない、と。 「でも、お前に対する感謝の気持ちは変わらない、と言いたかったんだ。あの後、眠ってしまった私に色々と世話を焼いてくれたんだろう?」  今の自分の状態で、それがよく解かる、とヴァフィラはそこでようやく頬を染めた。  体はさらりと気持ちがいいし、寝具もお日様の香りがした。  寝室は品のいい匂いに満ちていたし、毎日悩まされていた喉の渇きがまるで無かった。 「だから、大人になったのは少しだけだ。まだまだ、ルドーニに甘えてしまうからな」 「そんなッ、ヴァフィラぁッ!」  くうぅッ! とルドーニは悶えた。 「可愛い! 可愛いよ、ヴァフィちゃんッ!」 「可愛いとか言うな! 私は大人だと言ったろう!」 「わぁあ! すっ、すみません!」  ヴァフィちゃん、やっぱ怖い!

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