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第十三章・31
「ようやくルドーニと、対等になれたような気がしたんだ。つまり、今まではその、お前にリードしてもらってばかりだったろう? だけど、昨日は……。もう一口」
「はい♪」
ルドーニはようやくそこで、ヴァフィラが何を言いたいのかが解かった。
確かに昨日のヴァフィラは、弱った体にアルコールがひどく回っていたとはいえ、やけに積極的だった。
久々に交わるとはいえ、やけに貪欲だった。
どちらかと言えば、俺が一方的に振り回されたっけ。
「確かに、初めて俺が先にイッちまったなぁ♡」
「でも……」
「え? 『でも』って、そこから反する内容に?」
俺は嬉しかったよ、とルドーニは素直な気持ちを口にした。
どちらがリードするとかしないとか、それはその時々で変わってもいいじゃあないか、と。
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