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第十四章・2

「すまない……」 「何をいまさら♪」  ヴァフィラのものを飲むなど、今や珍しい事ではない。  ふるふると震えるヴァフィラを抱きしめ、乱れた髪を梳き耳にかけてやった。  他の男なら絶対に御免こうむる口淫も、ヴァフィラなら別だ。  初めての時だって、何の迷いもなかった。それに……。 「それに、ヴァフィラのって、何か美味い味がするんだよな。飲んだら酔ったみたいにイイ気分になれるんだ」 「本当か?」 「ホント。だから、何の遠慮もいらないんだって」  ありがとう、と今度はヴァフィラの方から抱きついてきた。 「今度は、私がしてあげよう」 「え!? いや、いいって!」  慌てて股間を手で隠すルドーニが、滑稽だ。 「恥ずかしいのか? 何をいまさら」 「きゃ~、やめて~♡」  妙な裏声を出して、ベッドの上で泳ぐような仕草をするルドーニが、可笑しくも愛おしかった。  すぐに大人しくなってしまったが。

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