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第十四章・16
その日の夜、ルドーニと存分に愛し合い、ヴァフィラはまどろみの中にいた。
そこにふと、這い上がってくるような刺激が。
痛みや痒みではない。
心地よい、それでいて胸をかきむしられるような、この刺激。
「ぅん……」
ちゅぷ、ぴちゃと音がする。
そして、体の一部に何か柔らかなものが当たっている。
いや、当たっているというより、これは……。
は、と目を覚まし、上半身を起こしてみると、彼の脚の間にはルドーニが顔を埋めていた。
「あ、やっぱり起きちゃった? 悪いな」
「ルドーニ! あれだけ駄目だと言ったのに!」
精液で死ぬことは無い、と解かっても、まだ生々しい恐怖がヴァフィラの心には残っていた。
だから今夜は、口でしないでくれと言ったのに!
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