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第十四章・26

「食事中、すまない」 「ディフェル?」  ルドーニも一緒に居ることを、ディフェルはなぜか喜んだ。 「ちょうど良かった。ヴァフィラにルドーニ、どちらでもいいから今日の講師を務めてくれないか」 「講師はナッカが……」  それが、とディフェルは溜息をつくと、腰に手を当てた。 「昨夜から熱を出してしまって。全く慣れない事などするからだ」  はた、と二人は考えた。 「ディフェルが講師をすればいいじゃねえか。適任だぜ?」 「いや、私は。つまり、その」 「他に何か、重要な任を負ってるとか?」  いや、そうじゃなくって、と、いつものディフェルではない歯切れの悪さだ。  やがて降参したように、講師ができない理由を口にした。

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