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第十四章・25
そう言えば、と朝食のパンにハチミツを塗りながら、ヴァフィラが思い出したように言った。
「ナッカが行っていたぞ。特別手当は俺がいただく、って」
「ナッカの奴……」
振り返ってみると、今回の騒ぎの発端はあの男にある、とルドーニは逆恨みをしていた。
あいつが、あんな教科書さえ渡さなければ!
「今日からでも、先生交代できないかな~。あいつの代わりに保健体育教えて、特別手当ゲットできねえかな」
「動機が不純だな。教育上、良くない」
ルドーニなど講師には不向きだ、とすまして毒舌を吐くヴァフィラだ。
こいつは一本取られた、とルドーニが苦笑いした時、思わぬ客が訪れた。
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