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第十五章・15

 まずは味見、とルドーニは椅子から立ち上がり、逃げ腰のヴァフィラの体をすくいとると唇を重ねた。 「んッ! うぅう、ん! んむッ!」 「舌、噛むんじゃねえぞ」  ルドーニの心配は杞憂だったようで、3度目のキスは巧くいった。  抵抗したのも最初の内だけで、ルドーニが舌を使いだした頃には大人しくなってしまったヴァフィラだ。 (いや、大人しいどころかこれは)  自らルドーニに舌を絡ませ、ディープキスを楽しんでいる。  さらりとした唾液が顎を伝い、唇を蠢かすたびにちゅくちゅぷと水音が響いた。 「……ヴァフィラ、さっきまでの威勢はどこ行った? ん?」 「ルドーニ」  潤んだ瞳で見つめられると、それ以上の意地悪は言えなくなってしまう。  媚薬でとろとろになり足取りもおぼつかないヴァフィラの肩を抱いて、ルドーニは寝室の扉を開けた。

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