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千と百(6)
【負けました】
千坂が百川の部屋に来た日から数日たつ。その間、彼のことを今まで以上に考えていた。
好きだと言われた時は自分の気持ちがわからなかった。貰った告白の返事をしないまま、千坂は変わらずに百川に好きだと伝えてくる。
そんな日々をおくっていくうちに、自分の心を素直に受け入れられるようになった。
自分の気持ちがかわれば相手に対しても見方がかわる。
顔はいいけれどズボラな男。だけど一途に想われることがこんなにも嬉しいことだったなんて思わなかった。
「はぁ、千坂さんっていつもこんな、ですか?」
「いや。お前だからだ」
千坂の部屋を掃除し終えて、畳んだ洗濯物を寝室へと運んでいるときだった。
後ろからついてきた千坂にベッドに押し倒すと顔を近づけてくる。
「ふっ、いいですよ」
負けましたと力を抜けば、千坂が目をぱちぱちとさせる。
「なんです? いつもグイグイきていたのに。いざとなったらできませんって」
「いや、だってさ」
今まで断ってきた百川が受け入れたのだ。気が抜けたのだろう。
「貴方の一途さに落ちたんです。ほら、はやくしないと気が変わるかもですよ」
「いいんだな? 途中でやめてと言われても止まらないから」
「わかってますって」
これ以上、何もいうなとキスで口をふさげば、千坂の目が細められる。
熱い舌が優しく絡みつく。水音と共に流れる唾液も気にならぬほど頭の中は気持ちよさにおぼれていく。
「ふぁっ」
唇が離れると寂しくて、もっと欲しいと啄むと千坂の指が首を撫でる。
「唇以外にもキスをしても?」
「ん……、どこにするんです」
「ここと、ここ」
シャツの上から胸と下のふくらみへと触れた。
きっとその個所は千坂に触れられたら、体の芯が甘くしびれてわけがわからなくなってしまうだろう。
「して、ください」
それを望んだのは自分だ。
「わかった」
千坂が口角を上げる。
シャツのボタンが一つ、また一つと外され、晒しだされた肌に千坂の唇が触れた。
入れる気持ちよさを知る前に、入れられる良さを知ってしまった。
「風呂、入るか?」
後から千坂の放ったものがあふれ出た。
「そうですね」
起き上がりベッドから降りた途端、足から力が抜けて床に座り込む。
「なんて……?」
「負担掛けたからな」
千坂もベッドから降りて俺の腰に腕を回して立たせてくれる。
「ありがとうございます」
「いや。俺のせいでもあるし。なんでもするから甘えろ」
その言葉に、俺は素直に優しいと思った。
だが、すぐにそれを後悔する。
風呂に連れて行ってくれたのはいい。一緒に風呂に入るのも、まぁ、いいかと許した。
普通に体を洗ってくれるだけでいいのに、肌に触れる手はいやらしく敏感な個所を撫でていく。
「や、もう無理ですって」
「乳首、かたくなってる」
両方の乳首を摘まんで動かす。散々吸われて痛むのに、じんと体の芯がしびれた。
「千坂さんが弄るからぁ」
「お、まだ元気だな」
そこを弄られたら自然と下もたちあがる。
「や、もう無理ですってば」
「そういって、さっきもできただろう?」
そんなふうに触られたら感じてしまうし、気持ちよさを知ってしまった体はもっと深くでつながりあいたいと望んでしまう。
「立っているのもやっとなんですよっ」
「そんなことを言って、俺の指をしめつけているぞ?」
指が中に入り込み。大きなものを咥えていた後孔は、指一本くらいじゃ余裕に入ってしまう。
「どこに突っ込んですか」
「中のものを掻き出さなくては腹を壊すぞ」
そういいながら気持ちの良い場所をわざとかすめながら。
「ひゃぁっ、千坂さん、だめ」
「俺が放ったものをだしているだけだろう?」
「はぁっ、そこは、や、です」
敏感になっている。
かすめるたびに体が小さく震え、指だけでは物足りなくなってきた。
もっと太くてかたいもので突いてほしい。
「折角、綺麗にしたのに」
「へ?」
指が抜け、両腕が腰を抑えて太くて熱いものが中へとはいりこむ。
「あっ」
後ろから押し込まれ、乳首がタイルでこすれてしまう。
「んっ、やだ、こすれちゃう」
「いやらしいな。それじゃここも触ってやろう」
たちがり蜜を流す下半身のモノをしごき始めた。
「ひゃぁぁっ、だめ、いっぺんにさわられたらっ」
目がちかちかとして意識が飛びそうになる。
「すげぇな、まだこんなにあふれ出るなんてな」
爪が先っぽをかき、
「あぁぁ、んっ」
タイルに放ったものをまき散らして後ろには熱いものが注がれた。
「ふぁ、あつい、です」
「ほら、俺にもたれかかっていいぞ」
中から千坂のモノがぬけ、腰に腕を回して抱きしめられる。
少しぬるめに設定したシャワーが気持ちよく千坂に体を預けた。
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