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第4話

「何ですか、拓先生」  いつものように親し気に、遥人はやって来た。 「卒業の日に呼び出しだなんて、逆御礼参り?」  それとも、とそこで、いたずらっぽい表情を作る。 「愛の告白、とか!」  どこまでも明るく軽やかな遥人が、今は悲しい。  拓は、3年間言えなかった言葉を心に唱えた。  そして、最後に少しだけ決心が揺らいだ。  今、ここで真実を告げずに遥人を解放すれば、彼は真に新しい人生を送れる。  新しい命を、手に入れることができるのだ。  

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