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第3話

 3年間、拓は色々と遥人にアプローチを続けた。  しかし、彼は一向に拓を思い出すそぶりを見せない。  成績が落ちた時、二人きりで個人教授をした。  修学旅行の時、裸になって一緒に風呂に入った。  居眠りをしている時、耳元で甘く名前を囁いた。  ありとあらゆる手段を用いて、遥人と触れ合った。  どれも好意的に受け止めてはくれたが、拓を以前から知っていることには気づいてくれない。 「もたもたしているうちに、卒業してしまった」  もはや、一刻の猶予もならない。  拓は、並みならぬ決意でもって、遥人を呼び出した。

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