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第7話

 拓が、自分の遥人への気持ちが単なる幼馴染へのそれから、違うものへと変化したことに気づいたのは、小学校高学年の頃だった。  遥人が近づくと、ドキドキする。  遥人の言うことなら、何でも聞いてあげたくなる。  あろうことか、遥人の夢を見た夜、夢精してしまった。 「は、裸の遥人とキスする夢見るなんて!」  俺の心が邪だからだ、と勉強やスポーツに打ち込もうと努力したが、無駄だった。  遥人への想いは、どんどん膨らんでいった。  これは、恋だ。  俺は遥人に、恋してるんだと気づくのに、時間はかからなかった。

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