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第14話

 そっと深夜のキッチンへ忍び込み、冷蔵庫を開ける。  両親のために冷やしてあるビールを、一つ拝借した。  二階の自室へ戻り、タブを切る。  一口飲んで、眼を閉じた。  ちっとも美味くなんかない。  ただ、大人はこういう時に酒を飲むのだ、ということは知っていた。  飲酒に、逃げ込もうとしていた。 「あ! ビールなんか飲んじゃって、不良!」  他人の声に、驚いて顔を上げた。  いや、他人なんかじゃない。  この声は。 「遥人!?」  そこには、制服を着た遥人がにこにこして立っていた。

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