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第13話

 通夜。  本葬。  そして、初七日が過ぎても、拓は信じられなかった。  遥人は、もうこの世にはいない。  そんな事実を、信じられなかった。  夜になると、携帯を見つめる毎日。  ラインを、メールを、電話を、遥人が寄こしてくるのではないか。  そんな期待を、捨てられなかった。  鳴らない、電話。  やるせない。    拓は、ふらりと立ち上がった。

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