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第16話

 夢だ。  きっとこれは、夢なんだ。  だったら……。 「な、遥人」 「ん?」  キス、しようか。  声が上ずり、かすれた。  遥人の眼は少し大きく開いて、わずかに困惑の表情を作った。  だが。 「……いいよ」  色よい返事に、拓は心臓が破裂しそうだった。  そして二人は唇を寄せ合い、自然と瞼を閉じた。

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