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第28話
口づけをやめ、拓がまるで余裕のない表情を向け、早口で訴えてきた。
「遥人、出る。も、一回。もう一回だけ、内に出していいか?」
ぐぃいッ、と拓の腰が深く強く捻じ込まれてきた。
「あ! ッあ! あッ、はぁ、はぁッ、あぁああ!」
彼の腰が叩きつけられるに併せて、声をあげた。
応えるように、一つになれるように。
拓の腕が、しっかりと遥人を抱きしめた。
一分の隙もないくらい強く強く抱きしめるとともに、命のかぎりを吐き出した。
拓の熱が、一気に体内に注がれる感覚。
遥人は、もう今夜何度目になるか解からないその感覚を、歓びをもって受け止めた。
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