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第40話

 写っているのは、二人の学生だった。  こっちが、拓先生。 「若い!」 「私より、隣の少年を見てくれ」  僕に、似ている。  いや、瓜二つだ。  でも……。  僕じゃない。  僕は、こんなに華やかに笑えない。 「拓先生、ごめん。やっぱり僕、何も思い出せないみたいだ」 「そうか……」

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