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第41話
解った、と拓は写真を元のように大切にしまった。
残念だが、諦めるしかない。
「すまなかったな、変な話して」
「いえ」
これから拓先生は、どうするんだろう。
希望を砕かれ、どうやって生きていくんだろう。
「最後に、ひとつだけお願いを聞いてくれないか?」
「何?」
「私のことを、『たっくん』と呼んでくれないか?」
それくらいなら、と遥人は微笑んだ。
「たっくん」
「……遥人ッ!」
拓は思わず、遥人を抱きしめていた。
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