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第10話

 泉 薫は静かに椅子に掛けた。 「全部聞いたな、泉。佐野の話を」  うん、と泉は頷いた。  そして、意外な言葉が彼の口から零れた。 「ごめんなさい、功」 「何だって?」  うなだれた泉がぽつりぽつりと話したのは、こういう事だった。

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