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第19話
天佑の魔闘士への修行は毎日かかさず行われ、それに伴い浩宇の整体師への修行もまた毎日かかさず行われた。
初めの方こそ、ガタガタになった体をバキバキにされるのだから、声なき悲鳴を上げていた天佑だったが、それも一年も過ぎれば慣れてしまった。
過酷な修行に身も心もついてゆけるようになった天佑に、師父の指導がなくても施術を行えるようになった浩宇。
ハードな特訓を終えての整体のひとときは、いつしか天佑に安らぎすら与えるようになった。
「ふふふ。天佑、ここ痛いでしょう」
「うあッ! 浩宇、お手柔らかに頼むよ」
「今日は、ずいぶん胸筋を使ったんだね。どうかしたの?」
「うん。師父がいよいよ、奥義を教えてくださることになったんだ」
「奥義を」
「そう。最終的には、大瀑布をも逆流させるほどの威力を持つらしいんだ」
「そんなこと、できるの!?」
「オーラを極限まで高めて放てば、無理ではないと師父はおっしゃるよ」
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