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第4話
声を出すのも忘れて、一真は口をぽかんと開けている。
そんな一真の口に、麻希はスプーンで甘いクリームを入れた。
「先生、間抜け顔も可愛い」
口の中のクリームが溶けきる間に、一真は平静を取り戻した。
「ダメだ! 教師と生徒で売春なんか、もってのほかだ!」
「相談に乗ってくれるって言ったじゃん」
「未成年がお金の為に性を売るなんて、絶対いけないことなんだ」
その言葉に、麻希は口を尖らせた。
「一真先生、何か勘違いしてる」
甘いクリームをまた一真の口元に持って行きながら、麻希はこれまた甘く微笑んだ。
「お金を払うのは、僕。僕が先生を、買うんだよ」
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