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広田は、大学時代から執事 の派遣事務所に所属し、基礎を叩き込まれた。
そして、大学卒業と同時に、財閥系一家の屋敷に配属になった。
それが、無垢な少年・弘太郎との出会い。
広田は、何年かかってでも、この少年を手に入れたいと思った。
10歳になったばかりの弘太郎は、華々しすぎる家柄のために、孤立気味だった。
広田は、主人に直談判し、弘太郎の身の回りの世話を買って出た。
若く、物腰柔らかな広田に、弘太郎はすぐになついた。
学校へは必ず定刻に送迎。
教室の中まで迎えに行くようにした。
弘太郎が友達の家に遊びに行く時も、敷地のすぐ外で、常に待機。
当然、他の子供やその父兄は、恐縮する。
こうして広田は、弘太郎を完全に孤立させることに成功した。
それから、子供に有害なもの、要するに性的なコンテンツを一切排除した。
弘太郎に、余計な知識を与えない為である。
二次性徴を扱う保健の授業は、主人を説得し、全て休ませた。
こうして弘太郎は、性のことを何も知らないまま中学生になった。
広田の言うことを信じるしかない状況を作ることに、成功したのだ。
時は、弘太郎が中学1年の時にやってきた。
いつ精通するかと、毎朝下着をチェックしていた広田だったが、ある日ついに、汚れを見つけた。
興奮を押し殺して、より一層、弘太郎の身の回りを甲斐甲斐しく世話する。
学校の悩みも、なんでも聞くようにした。
そして、こう励ますのだ。
「弘太郎様がどのような立場になっても、私だけは、最後まであなたの味方です」
実に、3年を要した。
広田が初めて弘太郎を犯した日、弘太郎は、怖いと嫌がりながらも、快楽に身を委ねて絶叫した。
広田の洗脳が、実を結んだ瞬間だった。
ここからさらに、広田は、弘太郎を洗脳していく。
自慰では絶対に射精できない。
腸内に自分の陰茎を挿入しながらでないと射精できない。
乱暴に犯されるほど、激しい快楽を伴った絶頂を迎えられる。
そして、他言したら、自分は辞めなければならないので、二度と射精できなくなる……と。
広田が弘太郎を犯す日々は、6年にもわたった。
高校に上がっても毎日送迎していたが、弘太郎は、迎えにきた広田を見るだけで勃起し、学校から帰るなりすぐに体を差し出すにまでなった。
広田は、確信していた。
もう少し、あともう少しで自分のものになる、と。
元々優秀だった弘太郎は、大学に上がってからはなお一層勉学に励み、そして家に帰れば、広田との情事をむさぼっていた。
それは長年染み付いた習慣であり、変えることも抗うこともできない。
何の疑問も持たない。
弘太郎は、広田の好み通りの、淫乱な人物に成長した。
犯されることを嫌がるどころか、少しでも手を抜くと、嫌いになったのかとすがったりする。
そしてめちゃくちゃに犯してやれば、悦んで嬌声を上げるのだ。
弘太郎は、大学を卒業すると同時に、婚約者である綾子と結婚することになった。
無論、両家が勝手に進め始めたものである。
広田は、突き放した。
結婚をすれば、もうこのようなことはできない。
あなたは夫として、綾子に対して、自分がしてきたようにしなければならない。
だから、全て終わりだ、と。
絶望した弘太郎は、広田を伴って失踪した。
22歳で執事として屋敷にやってきて、弘太郎を手に入れるまで、約13年。
いまその弘太郎は、安アパートの布団の上で、広田に抱かれて眠っている。
「弘太郎。お前は、僕のコレを腸に挿入しながらでないと、イけないんだよ」
(了)
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