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6★
あれから10日が経った。
結論から言うと、俺はPKS研究所にいて、緋室さんと共に暮らしている。
……と言っても、あのような無理な実験や拷問を受けているわけではない。
むしろ。
「おいで、あゆむ」
やわらかく呼ばれ、狭いベッドにもぐる。
胸のあたりに頬をすり寄せると、髪をそっとなでられた。
気持ちいい。居心地がいい。
「きょうは楽しかった?」
「うん。だんごむしいっぱい見つけた」
「それはうれしいね」
「緋室さんだいすき」
緋室さんの前では、自然体でいられて、童心に帰れる。
子供みたいにすねても怒っても根気強く向き合ってくれるし、かけがえのない存在を見つけたように思う。
「緋室さん、あしたはサンドイッチたべたい。ピクニックしたい」
「ごめんね。あしたは別の治験の方が来るから、遊びに行けないんだよ」
「やだっ。治験、男? エッチする?」
「あはは、しないしない」
俺の額に、ちゅっと口づける。
「すっかり壊れたね、あゆむは」
「なあに?」
「ううん、何でもない」
緋室さんは、裸のままちょっと布団から出て、手帳に何やら書き込んだ。
「ピクニックはできないけど、早起きして、サンドイッチ作りは一緒にしようか。うんとおいしいのを作ろう」
「やった! 緋室さんだいすき」
抱きつくと、緋室さんは俺の背中をつうっとなぞった。
「……ぁっ」
「これだけで感じちゃう?」
「ん、ん。きもちよくなりたい」
緋室さんは、手際良く全身のあちこちを触り、俺を絶頂に導く。
「……ぁ、あ、あ……、きもちい、イッちゃぅ」
「うん。イッて?」
「んぁっ、ぃ、イク、ぁあッ……!……あぁ……っ!」
大好きな緋室さんの青白い指を、欲液で汚した。
そう考えるだけで、なんとも言えない満たされた気持ちになった。
息を切らしながらそっと盗み見る。
ざっと俺の体を拭いた緋室さんは、慈しむように目を細め、何度も「可愛い」とささやきながら、俺の髪をなでた。
心地いい声。息遣い。肌の温もり。心臓の音。
眠りに落ちる前、緋室さんは優しく微笑んだ。
「きょうはどうしたい?」
「ん、おくすり、して」
「分かった。じゃあ、可愛いお尻の穴見せて?」
四つん這いになり、頬はべったりとシーツにくっつけて、お尻を高く上げる。
両手で開いて見せた。
「あゆむは、無理やりされてるの?」
「ううん。緋室さんにしてほしくて、じぶんから言ってる」
「そうだね」
欲しくて仕方がないお尻の穴がひくつく。
愛液を分泌するようになったお尻の中からとろっと蜜が漏れて、周りをぐっしょりと濡らす。
緋室さんは、ぐいっと座薬を挿入した。
ぬちっという粘着質な音で、イッたばかりの体がまた興奮する。
「ぁあッ、ああ!」
「よしよし、いいこだね」
「ぁあ……ッ、……ぁ……」
緋室さんに背中をさすられるうち、興奮していたものがおさまり、ふわふわした感覚になる。
ぼーっとした意識のまま体を預けるようにしたら、眠気がやってきた。
「きょうも幸せな夢を見られるといいね」
「うん。おやすみなさい」
ぼんやりと、夢を見る。
心優しい科学者が、俺の脳を少しずつ切り刻んでいく、優しい夢を。
(了)
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