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第41話
「そういう時って、どうやったら入ったって分かるの?」
「相手の表情かなぁ~」
「でもさぁ、動いたら抜けちゃうなんてことも…」
「蜜。俺が千歳に怒られるから」
「だって気になるんだもん」
そういうの気になるお年頃でしょ?
「動いたら抜けちゃうってゆぅかぁ~、そこまで短くなくてもぉ、宛がうでしょ? で、そのまま挿れようとするとポロンって何度もこぼしてたのもいたよぉ~。ヘタクソ!って胸蹴ったことあるもん~」
「えっ、相手のプライドずたずたじゃん」
えっちがヘタって言われるの、結構傷つくらしいのは聞いたことある。
「短いのはさぁ~奥まで来ないのはもう仕方ないからぁ、とりあえずゆっくり動くよねぇ。けどさぁ~、昨日は奥までゴリゴリ」
「茅ヶ崎、ストップ。それ以上蜜に聞かせたら千歳に言いつける」
茅ヶ崎がお口ミッフィーちゃんになった。
「百とか千歳は挿れる方だからふたりの話聞いても参考にはならないだもん」
「話したことねぇだろ、その前に」
「まぁね」
確かにそう。
「藤くん一回くらい…」
「絶っっ対だめ!」
「んんん女王様厳しいぃ~」
「厳しくない!」
朝からそんな話してたら、もう校門が見えてきた。
朝から何の話してんだ、って言われそうだけど。仕方ないよ。
「あーぁ。楽しい話ないかなぁ」
「わかるぅ~。楽しい話ないかなぁ~」
「とりあえず、ふたりの言う『楽しい話』が全然違うのは分かった」
俺のは健全だからね。
校門をくぐって昇降口へ向かう。靴を履き替えて、教室行こーってしてたら、百がどこかを見ていることに気づいた。
「百?」
百が俺の肩を抱く。視線はそのままに、口を開いた。
「茅ヶ崎、あそこの陰にいるやつ引きずり出してきてくれねぇ?」
「まっかせてぇ~!」
茅ヶ崎は勢いよくバーッと走っていくと、物陰に隠れていた人を文字通り引きずり出して連れてきた。
「いだだだだ!! ちょっ、何だよ急に! っていうか痛い!! 腕! 腕粉砕される!!」
「活きのいいの連れてきたよぉ~」
「でかした茅ヶ崎」
あ、あの人昨日の人だ。
なんだっけ、名前。忘れちゃった。
「なっ、何なんだよ!」
「そっちこそ何なんだよ。こそこそ様子探ってたみたいじゃん?」
「って、っていうか! お、ぼ、僕は先輩だぞ!」
「だから?」
「だ、だから…敬語とか…」
ってかもうオーラからして百に負けちゃってるもん。ムリじゃん。
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