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第53話

「まぁとりあえず、好きとか出し惜しみしないで言ってくれる人がいいかな」 「女王様ってそういうの言われたいタイプなんだねぇ~」 「今までが言われなさすぎたから」 軽々しく言うもんじゃないんだってさ! 「言われたいってか、好き?って聞いたら返事くらいはほしいよね。そんなこと言うもんじゃない、とかじゃなくてさ」 「それは確かにねぇ~」 「でしょ? ってことで茅ヶ崎、俺のこと好き?」 こて、と可愛らしく首を傾げて見せる俺。 うんまぁ、茅ヶ崎に可愛い子ぶっても意味ないってかアレだけど。 「そぉだねぇ~…」 茅ヶ崎がじっと俺を見た。 え、ちょっと何これ。何でこんなじっくり見られてんの? そこはノリでさくっと返事するところ、でしょ? 「うん。僕ネコだけど、女王様は抱ける気がするぅ」 「やめて」 「え~? テクはあると思うよぉ~?」 それは何かそんな気がする。気はするけど。 「女王様がえっちの時にどんな声出してどんな表情見せるのかすごい気になるしぃ~。一回したら女王様に病みつきんなりそぉ~」 「舌なめずりやめて」 何だか危険なボタンを押してしまった気分。 「蜜に軽い気持ちで手は出すなよ?」 千歳が釘をさす。 「興味はあるけどぉ~、我が身が可愛いからそこは弁えておくねぇ~」 「賢明だなー」 百が笑う。笑ってるけど、千歳も百も、俺の肩抱いてるから…多分何かしらの危機は感じたのかも知れない。 「大体さぁ、好きかどうか聞いただけなのに何で抱くとかいう話になったわけ?」 「え~? 女王様 可愛いからぁ~」 「俺が可愛いのなんて今に始まったことじゃないでしょ」 元々可愛いもん。 「でも僕、女王様にならタチになれるかなぁ~、って思ってるよぉ~?」 「思わなくていい。ネコでいて。バリネコなんでしょ。そこのアイデンティティ崩さないでよ」 「バリネコがアイデンティティでいいんだ、茅ヶ崎」 百、そこは見逃して。 「女王様が言うならバリネコがアイデンティティでもいいかなぁ~」 「何その聞き分けのよさ」 「ん~何かぁ、最近よく一緒にいるようになったら女王様に嵌まっちゃったっていうかぁ~。女王様 絶対中毒性みたいなのあるよねぇ~。エロ可愛く見えてしょーがないんだよねぇ~」 「すげぇな蜜。バリネコをタチに目覚めさせるとは」 「感心してないでよ!」 いや、でも茅ヶ崎は場数踏んでるからな…。絶対慣れてはいる。

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