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第54話

「ある意味 安心感はあるけど、茅ヶ崎とえっちしたいか、って聞かれたら…」 「えぇ~? ないのぉ? 絶対巧い自信あるよぉ~?」 「うん。それは何か分かる気がするんだよね」 だって絶対自分の気持ちいいとこ知ってるから、まぁ誰のお尻いじっても満足させられそう…、っていうか前戯からちゃんとやってくれそう。 「でしょ? 試してみるぅ~?」 「試さないよ。変なとこ開発されそうだもん」 「まず乳首だよねぇ~」 「『まず』って順番あるの?」 いや、興味はないけど。 「先輩とはしなかったんだよねぇ~?」 「うん。えっちな欲は刺激されなかったから」 「先輩は刺激されてたんじゃないのぉ~?」 「どうかな」 でも、キスしてるときにしっかり腰抱かれたことはあったな。あれってそういう感じだったの? 「先輩に色気はないのかぁ~。まぁなさそうだよねぇ~」 向こうに香月さんいるの分かっててこんな会話してるなんて…ひどい後輩たちだよね。 「なさそうだよね、っていうのは?」 でも続けちゃう俺。 「だって…例えば須賀谷くんがキレイめに制服着てるのってストイックな感じがして心をくすぐられるけどぉ、先輩はほんと堅物って感じだもん~。そういうの摘まむのは楽しいけどぉ~」 摘まむってつまみ食いのことね。 「そういう雰囲気の違い? みたいな感じぃ~」 「雰囲気かぁ」 ま、今となってはどうでもいいけど。 「そんな会話してたら余計に火が点きそうだぞ」 千歳がちょっと笑って言う。 それは嫌。 香月さんのいる方から何かこう、圧を感じるもん。圧っていうか…何だ…念? えっちな欲は刺激されなかった、って言っちゃったから? 茅ヶ崎に、抱きたいって言われたから? それよりまずごはん食べちゃお。 オムライスおいしい。 何だかんだで百も千歳もごはん食べ終わってるし。 デザートには百が残しておいてくれたごま団子を。 百のこういうさりげない優しさが好き。 ちなみに俺はオムライスについているコーヒーゼリーがちょっと苦手なので、それを百や千歳に食べてもらっている。なので今日も。 「女王様コーヒーゼリー食べないんだぁ?」 「んー、食べれるけどちょっと苦手なんだよね」 「ふぅ~ん」 千歳は?って百が声をかけて、じゃあ一口、なんてやり取りを聞きながらごま団子を堪能する。 「女王様って物食べてる時も可愛いよねぇ~」 「いつもなら、そうでしょ?って言うけど、今日ばかりは若干の不安があるよ」 「あはは、そんなことないよぉ~」 笑い事じゃないから、茅ヶ崎。

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