213 / 240

第213話

「けど、それぞれ固まって動くのはしばらく続けてもらっていいか?」 千歳が言うと、委員長は頷いた。 「相手がどう出るかまだ分からないからな」 「始末するまでの間だよねぇ~」 「そうだ。いや、違う。カタをつけるまでの間だ」 「即座に肯定しちゃってるじゃん」 衛宮くんは始末されるようです。 冗談は置いといて、俺も千歳や百に頼りきりにならないようにしないと。 茅ヶ崎に言われた通り、相手に情けなんて必要ないんだからおちんちん蹴ろう。何度もガツガツ蹴ろう。 誰か練習させてくれないかな……くれないか。くれないな。俺なら嫌だもん。おちんちん蹴りたいから練習させてくれとか言われたら神経疑うレベルだもん。何言ってんだこいつレベルだもん。 「蜜? 黙ってどうした?」 千歳が俺の様子に気づいて声をかける。 「あ、ううん。何か…俺も、何かあった時に自分で対処できないとな、って思って。おちんちん蹴る…違う! 股間蹴る練習しなきゃと思って」 「蜜。色々突っ込みどころがあるんだが?」 「おちんちん頂きましたぁ~!」 「茅ヶ崎、shut upだ」 「Yes,sir」 俺は百の影に隠れた。百は黙って苦笑い。 「蜜」 「やだぁ、怒らないで…」 「怒ってるんじゃない。ちゃんと自分の影響ってものを考えて言いなさい。おちんちんじゃなくて?」 「こかん…」 きっと千歳の『おちんちん』に興奮しただろうに、茅ヶ崎は静かに黙っていた。やればできるんだね。 「それから、蹴る練習って何だ? 誰で試すつもりだ? 喜んで蹴られるやつがたくさんいると分かってての発言か?」 「言葉のアヤじゃん…」 いや、待って。 「…喜んで蹴られる人たくさんいるの…?」 「いる」 断言された。 「え、怖い」 「全く…。教室内だったから良かったものの…」 「怖いから気を付ける」 え、でもそんなにいるなら練習…させてくれるのでは? これは怖さよりも技術を磨く方を取るべきでは…? 「まぁまぁ。蜜も自分で何とかしなきゃ、って思ってるんだから、そんな怖い顔すんなって」 「百は蜜に甘いんだ…」 「え、それ千歳が言う?」 「どういう意味だ?」 「「「「「2人とも女王様には甘いから」」」」」 教室中から総突っ込み頂きました。 それもそうだな、ってふたりして納得して頷いて…それからふと思い出したように百が声を上げた。 「あ、そうだ。忘れてたけど、昨日蜜の靴にイタズラしたやつ分かったぞ」 「「「「「え。」」」」」

ともだちにシェアしよう!