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第214話

でもそこで、ものすごいジャストなタイミングで予鈴が鳴ってしまい、多分クラスみんながそわそわ?うずうず?したような落ち着かない気持ちで授業を受けてたと思う。 先生が授業を終えて出ていった途端、百を除くほとんど全員が同じタイミングで立ち上がった。 「ぉわ、びっくりした。みんなトイレ?」 んなわけないじゃん。 「トイレじゃないよ、百。あのタイミングで気になること言うからあんまり授業に集中出来なかったじゃん。俺の靴にイタズラした人分かったって、誰だったの?」 百の膝に乗り上げながら聞くと、「その話かぁ」って呑気な一言が返ってきた。 「返答次第では殴り込みに行くが?」 「ちょ、須賀谷…目が…」 千歳の目は既に据わっている。 もう、ほんとに俺のこと大好きなんだから。知ってるー。 「衛宮と関係あるかはまだ分かんないんだけど、7組の花島田って知ってる?」 「はな…」 え、分かんない…。 「蜜に告白したことあるらしいけど」 「んん…?」 はて…?? 「女王様さぁ、入学してからもう半年以上経つけど告白された数なんて数えきれないんじゃないのぉ~?」 「両隣にいつもいい男いるから、他の男なんて顔も霞んで名前も覚えてなさそうだよな…」 「ちょっとそれどういう意味? 確かに他の男なんて霞むけど、名乗らない人だって多いんだからね? 俺と付き合わない?とか言ってくるけど、まず誰だよ!って人いるんだから」 ほんとそういうの嫌になる。 「そういう人ってぇ、ある程度自分は知名度があると思ってるんじゃないのぉ~?」 「ないよ」 「一刀両断されたぞ…」 「さすが女王陛下」 名乗らない人なんて知らない。興味ない。 「その花何とかってやつが蜜の靴にアレをかけたわけか」 「んー、そうみたいだねぇ」 「何のために?」 千歳に聞かれると、百はちょっと肩をすくめた。 「そこがまだ分かんねーのよ。振られた腹いせなのか、単純に劣情なのか」 「腹いせって言っても…そもそも蜜に告白したのはいつ頃なんだ? 最近か?」 「何回かしてるっぽいけど」 そんな何回も同じ人から告白されたっけ? 「んで、今は衛宮と何か関係あるのか様子見てもらってる」 もらってる。…ってことは、誰かに頼んでやってもらってる、ってことか。 「ま、衛宮とは関係なくてもあってもやることはひとつだけどな」 百が冷たくにんまり笑って。 「さすが相棒」 千歳も満足げに にんまり笑った。

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