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ヘヴンズヘヴンの録画を見る。
夏休み、アニメ化記念のパネルを見に行って、それで付き合った。
9月から放送が始まって、話はもう中盤を過ぎた。
アニメの中のふたりが関係を深めていく様子と、自分たちの時間の流れを、何となく重ねる。
ソファに並んで座って、手を繋ぎながら見ている、この温もりが幸せだ。
CMに入ると、春馬さんがゆるっとこちらに視線を向けて言った。
「終わったら、一緒にお風呂に入らない?」
「……そのあとエッチする?」
超ダイレクトに聞いたら、春馬さんは、真顔のまま面食らってた。
やばい。可愛い。
甘えるようにもたれかかる。
「ねえ、どうする? する?」
「したいな。いい?」
「しないわけないのに、いじわるで聞いただけだよ」
にひひと笑ってみせると、春馬さんは、ちょっと肩をすくめて笑った。
かなわない、と、小声で言ったと思う。
お風呂上がり、服は着ずに、そのままベッドに入った。
「可愛いいじわるされちゃったし、僕もエッチないたずらしていい?」
「ん?」
らしくない発言に、驚いてしまった。
本人だってそうなんだろうなってことは分かって、言ってる本人が緊張の面持ちなんだから、笑ってしまう。
はー、萌える。
「何? エッチないたずらって」
「あらかじめ言っちゃったら意味ないでしょ?」
どうする? と、抑揚のない声で聞いてくる春馬さんの頬に手を伸ばして、甘えてみせた。
「して、いたずら。何?」
「気に入ってくれるといいな」
半身を起こして、ベッド下の収納から、見慣れない箱を取り出す。
開けると、まさかの、おもちゃだった。
ただ、よくある突っ込むやつじゃなくて、なんか、手のひらサイズのシリコンのものがふたつ。
春馬さんがそういうものを買うところなんて想像もつかないから、本当にびっくりしてしまった。
ぽかんと口を開けて固まっていると、彼は、無表情のまま手の中でそれを転がして言った。
「仰向けになって、力抜いて、目をつぶってて?」
「うん」
言われた通り、ちょっと深呼吸してから、目をつぶる。
舌で乳首をぬるぬるとなめ……られたと思ったら、乳輪の外側に柔らかい感触。
すると、両方の乳首に、きゅうっとそれが吸い付いた。
「目、開けていいよ。きつかったら言って?」
そっと目を開いて自分の胸元を見ると、シリコンカップがついている。
でも、これでどうなるんだろう?
別に気持ちよくはないような。
……と思っていたら、春馬さんはおもちゃに手を伸ばし、電源をカチッと入れた。
「……ぁッ、うそ、ぁあっ」
驚いて、体をビクッと震わせる。
カップの中の突起がぐるぐると回って、刺激される。
動くと思わなかった……っ。
受け入れる構えもできていなかった無防備な体が、容赦なく侵食されていく。
「ん、んぁっ、……ぁあっ」
声が我慢できない。
甘くしびれるような感覚に、思わず背を反らしてシーツを握りしめる。
「気持ちいい?」
「ぁ、はぁっ、……ぁあっ、やば、んッ……ぁあっ」
とめどなくぐるぐると刺激されて身悶えて、その隙に春馬さんは体を丸めて、俺のペニスを口に含んだ。
「あぁッ、ぁんっ、……ぁあっ」
春馬さんは、ひとりでに浮く俺の腰を力ずくで押さえつけて、じゅぼじゅぼと音を立てながら容赦なく攻める。
「んぁッ、あっ、だめ、ぁあ……っ気持ちぃ、ぁあぁッ」
永遠に続くかのような、刺激。
フルマラソンを走るみたいに息が上がって、みっともなく身をよじっても、快感から逃げられない。
「ぁあッ、ぅあ、だめ……っ、はるまさん、変になっちゃ……んッ、ぁあっ」
「限界?」
大きく、がくがくとうなずく。
春馬さんは体を起こし、おもちゃの電源を切った。
きゅぽっとはずされた乳首を見ると、赤く腫れている。
「……おいしそ」
春馬さんが生唾を呑み込んで、そっと口に含む。
敏感になりすぎたそこは、ぬらっとした舌の動きに耐えられない。
「ぁあッ、や、ん……ッ」
「ここだけでイける?」
くぐもった声で聞かれたけど、答える余裕はなかった。
ビクビクと何度も体を跳ねさせるのを、返事ととらえたらしい。
指でピンピンと弾きながら口で強めに吸われたら、頭が真っ白になった。
「あ、もっ、だめぇ……ッ、ぁああッ!……ぁ……ッ、……!……んぁあッ……!」
絶頂、ただし、精液は出ない。
のぼりつめ、やがて脱力すると、ぐいっと口をぬぐった春馬さんが、同じ収納からローションを取り出した。
手の中であたため、中に細い指を挿しこみ、ほぐす。
「あ、ぁ、まだイッたばっかだからぁ……」
「でもみいのここ、欲しそう。ひくひくしてる」
前立腺をぐいっと押されたら、期待で頭がおかしくなりそうだった。
「あ、ぁ……っ、欲し、春馬さん、欲しい」
「ほぐれたらすぐ挿れてあげる。気持ちよくなろうね」
ぐちぐちと部屋に響く粘着音が、また別の興奮を誘った。
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