14 / 55

第一章・9

「タコパしよ~!」  ゴミや洗い物がすっかり片付けられたキッチンで、等が満面の笑みで迎えてくれた。  テーブルの真ん中に、たこ焼き器がどんと据えてある。  すでに焼き上がったたこ焼きがいくつか、蛍の皿に乗せてあった。 「たこ焼き、かぁ」  なるほど、これなら好きな分量だけ食べられる。  お腹が満ちたら、すぐに止められるのだ。 「でも、栄養のバランスはさほど良くないよね」  これまで完璧な仕事をこなしている等に、蛍はちょっぴり意地悪を言った。 「そう思うだろ? 食べてみてよ」  挑戦的な蛍の言葉に、これまた挑戦的な言葉を返してくる等。

ともだちにシェアしよう!