55 / 55

エピローグ・7

 美味しいお茶を飲みながら、等は胸ポケットからカードを出した。 「さて、今回の関係はどうする?」  お馴染みの、カードだ。  そこには、やはりこうあった。  お父さん、幼馴染、兄、下僕、執事、友達、恋人……。 「ここには無いカードが欲しいな」 「?」  蛍は『恋人』のカードを裏返して、ペンでこう書いた。 『生涯のパートナー』  等はそれを見て、赤くなった。  そして両手で顔を一拭いすると、これまでで一番いい笑顔を作った。 「不束者ではありますが、よろしくお願いいたします!」 「等!」  期限なし、ビジネス抜きの、二人の関係がようやく始まった。 「ね、等。お茶が終わったら、出かけよう」 「どこへ?」 「婚約指輪、選びに行こう!」 「OK!」  晴れた空はどこまでも青く、二人の前途を祝っていた。

ともだちにシェアしよう!