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『ハロウィンナイトは砂糖菓子③』
そして帰り際、空が仲良くしているという男の子の母親数人に呼び止められ、しばらく立ち話することになった。それはさすがに空も退屈だったようで、いつしか彩人の腕の中に収まって、すうすうと寝息を立てていた。
母親たちの関心はやはり、彩人と壱成の関係性にもあるようだった。普段は迎えの時間もそれぞれなので、なかなか出会うことはないけれど、どの家庭でも子どもたちから「そらくんち、お兄さんが増えたんだってー」という旨の話があったようなのだ。
好奇心丸出しで二人の関係性について問いただされることは、いずれ起こりうると思っていた。実際、彩人と壱成は恋人同士だし、同じ家に住んでいることは隠しようもない。しかも、今日のハロウィンイベントに二人揃って参加するのだ。今日がその日になるだろう――……と、薄々気を引き締めていたところはあったのだが……。
「そうなんですよ。俺ら、一緒に住んでるんです」
どことなく察したような顔で「あの、お二人って……」と尋ねてきたともくんママに、彩人はさらりとそう言ってのけたのである。
壱成は隣で笑みを浮かべながらも内心かなりヒヤヒヤしていた。だが彩人は「俺ら、中学んときの同級生なんですよ。ちょっと前に久々に再会したんですけど、俺が一人で苦労してるの見て、壱成が手ぇ貸してくれるようになって」と、さらさらとこれまでのことを説明していた。
やはりうっすら噂は立っているようだが、曖昧に流れている情報を誰からともなく聞くのと、本人の口から事実を聞くのとでは、印象はかなり違ってくる。
落ち着いた口調で「俺、壱成には色々甘えちゃって、申し訳ないなって思ってたんです。けど、こうやって一緒に暮らしてくれるようになって、俺も空も、毎日すげぇ楽しいんです」と語り、彩人は切なげに微笑んだ。
すると、あっという間に母親たちは皆うっすらと涙ぐみ、「そうだったんですか……よかったですね、いい再会があって……。空くんも安心よね」と頷き合う。
そして、家が近いともくんママとともに途中まで一緒に歩き、近隣の小学校情報などを教えてもらいながら帰ってきたのだった。
空を和室に寝かせ、ようやくひと心地ついたところで、彩人がソファに座る壱成の隣に腰を下ろした。そして仮装もそのままに、ちゅ、と軽く壱成の額にキスをする。
「壱成、大丈夫か? 疲れた顔してんじゃん」
「あ……うん、そうかも。なんか、彩人と一緒にいる時に他のママさんと話す機会ってあんまなかったし、なんかハラハラしてさ」
「ははっ、そっか。ごめんな」
彩人は壱成を労るように微笑み、そっと肩を抱き寄せた。そうして彩人にもたれかかっていると、優しいぬくもりといい香りに包み込まれてホッとする。壱成は目を閉じて、彩人の頬に額をすり寄せた。
「俺のことちゃんと説明してくれて、ありがと」
「何言ってんだよ、当然じゃん。隠したくもないし」
「うん……そうだな」
「それに、『ほしぞら』のママさんたちって、けっこうサバサバした人多いだろ。ちゃんと話せば分かってくれそうだったし」
「確かにね」
ほしぞら保育園は、彩人のように仕事で多忙な保護者が多い。他人に関心を抱いている暇はないという人々が多いけれど、それでも彩人と壱成のことは、皆が何となく気にしている雰囲気はあった。なので今日彩人の口から話をしてもらえて、壱成も安堵していた。
彩人を見上げて微笑むと、気の抜けたような、素直な笑顔が返ってくる。笑うといっそう空そっくりになる彩人のことが愛おしく、壱成は腕を伸ばして彩人の髪を梳いた。
「ま、それに、今日はみんなコスプレだったし。いつもより話しやすかったしな」
「ああ、それはあるかも。あいこ先生にはビビったけど」
「ははっ、そーだよな。がっつり子どもたちびびらして笑わせてて、さすがだよな〜あいこ先生も」
あのあと、園児たちとの鬼ごっこの中で、しっかりゾンビとして活躍していたあいこ先生の姿を思い出す。つくづくプロ意識の高い先生だ。
ふたりで思い出し笑いをしていると、ふと、彩人の眼差しにいたずらっぽい光が宿った。
マントの留め具を指先で解かれ、額に軽いキスが降ってきた。
「で? 壱成は今夜、オオカミになった俺のこと、可愛がってくれんの?」
「えっ……な、なんだよそれ……」
「なんか今日の俺、美人ヴァンパイアのペットみてーじゃん? 頭撫でられて喜んだりしてさ」
「ううっ」
キラキラと楽しそうに瞳をきらめかせながら、彩人は壱成の鼻先にちゅ、とキスをした。そのまま頬へ、耳へと唇が触れてゆき、腰を強く抱き寄せられる。
「ちょっ……ここじゃダメだって……! 空くん、すぐそこにいんだろーがっ! こらっ……ン」
「じゃあ、二階行こ?」
「ん……、い、いいけどっ、わぁっ!」
許可した途端ひょいと軽々横抱きにされ、ふわりと身体が宙に浮く。いつものことながら、こうして腕力の違いを見せつけられると若干癪な部分はある……が、こうして彩人と甘い時間を過ごすことを楽しみにしていたのもまた事実で、どうしようにも顔がふにゃりと緩んでしまう。
壱成は笑みを浮かべつつ彩人の首に腕を回して、作り物の耳を弄んだ。
「……ったく、待てのできねーペットだよ」
「へへ、飼い主が甘やかすから、しょーがねーよな」
そして、いたずらっぽく笑う彩人に抱かれたまま、二階にある壱成の部屋へ連れ込まれる。昼間から開きっぱなしだったカーテン越しに入る淡い光の中でベッドに横たえられたかと思うと、彩人が四つ這いで迫って来た。
目を細めてうっそりと微笑む彩人の表情に、どことなく獣じみた野生味が感じて、壱成の胸はまたひときわ大きく高鳴った。
「さーて、どうやって可愛がってもらおっかな〜」
「……だ、だから、待てだぞ、待て! 保育園から帰ったばっかで、いきなりそんな気分になんて……」
「本当に? そのわりには、壱成のココ……」
ぺろりと唇を舌なめずりしながら、彩人はぐっと壱成の股ぐらに手を触れた。細身の黒いスラックスを内側から押し上げるそれの感触に、壱成自身もびっくりだ。
「ぁ、っ……!」
「ほら、もう硬いじゃん。いつから硬くしてたんだよ、ご主人様♡」
「ち、ちがっ……これは、そのっ……」
インポな自分に深く深く絶望していた頃が嘘のように、最近の分身は壱成の感情に敏感だ。
彩人と二人きりになり、ちょっとときめかされるだけでこのありさまなのだ。自分でも驚くほど快楽にだらしなくなってしまった。甘い愛撫を期待し、反り返る己の分身が恥ずかしくてたまらない。
「ぁ、っ……ァ、ばかっ……揉むなって……、ン」
「待てができねーのはご主人様のほうだろ? どんどん硬くなるじゃん」
「あ、っ……ァ、……んんっ……」
いつもより強めな手つきに腰が震える。声を殺そうと拳を口に押し付けるが、すぐに彩人に手首を掴まれた。
ベッドに縫い付けられながら唇をキスで塞がれ、熱い舌が壱成の口内へと入り込んでくる。
「ん、っ……は……ぁ」
ついさっきまでほしぞらの保護者相手に、「いつも空が世話になってます」と微笑んでいたのが嘘のように、情熱的なしぐさだ。壱成の耳を指で弄びつつ、額や鼻筋、頬にまで柔らかな唇を触れ、時折甘やかすような微笑みで壱成を見つめる。
壱成もまた両腕で彩人の首を抱き、自ら唇を寄せて続きをせがんだ。互いの唇が唾液で濡れてゆくにつれ、リップ音が高くなる。次第に浅く、吐息も甘く乱れてゆく。
下へ下へと降りてゆく彩人の唇が、シャツの上から壱成の胸元を啄んだ。シャツ越しでも分かるくらいにはっきりと尖りをなしたそれを唇で食まれ、「ぁ、んっ……!」とはしたない嬌声が漏れてしまった。
彩人は上目遣いに壱成を見上げ、舌先でそこをねっとりと舐めくすぐる。
「ココも、こんなに硬くしてんじゃん。もっと舐めてほしいよな?」
「ん、やっ……やめろ、そんなっ……」
「そんなエロい顔で腰揺らしながらやめろって言われても、駄犬の躾にはならねーな」
「だ、駄犬……」
そう言うやいなや、彩人はさらに激しく、食いつくように壱成の胸元をいじめ始める。
片方はシャツのさらりとした生地越しに指先でくにくにと擦られ、捏ねられ、もう片方は敢えてのように音を立ててしゃぶられた。彩人の唾液でとろりと濡れたシャツで敏感な先端をこすられるたびに、掠れた喘ぎが漏れてしまう。
「あ! ァっ……ん、んっ……」
「壱成、分かる? ここ、どんどんおっきくなってるよ?」
「ひ、ぁ……っ」
ぐ、と股間を膝で押し上げられて、壱成は情けなくも悲鳴をあげてしまった。とろとろに濡れた乳首を愛撫されながらそうされるだけで、達してしまいそうになったのだ。
それだけではない。もっと奥まで彩人が欲しくて、後孔まで物欲しげにひくついているのが自分でも分かる。
壱成は我慢ができず、彩人の股座に手を伸ばしてみた。そして、彩斗のそれが自分と同じように硬く硬く欲を滾らせていることに安堵する。
「あやと……、まだ、挿れねーの……?」
「へへ……珍しく素直じゃん?」
「も、むり……ナカでイキたい、イかせてよ」
濡れた声で情けなく懇願している自分を客観視する余裕は、もうなかった。壱成は震える指先で自らのベルトを緩め、ゆっくりと前を寛げてゆく。
彩人もまた上半身を起こし、艶めいた唇に淡い笑みを浮かべながら上着とベストを脱ぎ捨てる。そして、もう煩わしくなってしまったのだろう、ケモ耳も外してぽいと床に投げ落とした。
そして彩人は、壱成のスラックスとボクサーブリーフを尻の下までぐいとずらすと、涎を垂らす屹立に舌を這わせた。
「あ! ァっ……あやとっ……! ン、っ……、あ、あっ……!」
「エロい味……もうトロトロじゃん、壱成」
「ん、ぁっ……、やめ……いっちゃう、いっちゃうから、そんな……っ!」
「ん……もうちょい、させて」
彩人のいやらしく蠢く舌が、快感に震える壱成の屹立をねっとりと包み込む。あの形のいい唇に飲み込まれるたび、じゅぷ、ちゅぷ……と淫らな音が暗い部屋に響き、壱成は羞恥と快感に責め立てられ、彩人のシャツをきつく握りしめた。
壱成の先走りか、彩人の唾液か、とろりと湿ったあたたかいものが、つぅ……と尻の方へと伝ってゆく。その感触でさえ震えるほどに気持ちがよくて、壱成は胸を上下させながら必死で彩人を制止した。
「あ、ぁ、っ……はぁっ……だめ、だめだってっ……! でちゃう、から……!」
「出してもいーのに。けどまぁ、こっちでイくとあとがキツいもんな」
彩人は名残惜しげに唇を離すと、ぐい、と拳で口元を拭った。窓から差し込む仄かな光が、彩人の瞳が妖艶な光を宿している。
スッと身を起こした彩人は、コンドームのパッケージを口に咥えたまま、壱成に見せつけるようにゆっくりとベルトを外しはじめた。
頬を紅潮させ、今すぐにでも壱成に襲いかかりたいといわんばかりの雄の目をした彩人の姿は殊更にいやらしく、見上げる自分の眼差しさえとろけてしまう。
下腹につくほどに猛々しくそそり勃つペニスを目の当たりにして、壱成はごくりと喉を鳴らした。
長い指が、壱成の平たい下腹を撫でる。ぴくんと肌を震わせる壱成の反応を楽しむように、彩人はうっそりと微笑んだ。
「コレ、挿れてもいい? ご主人様」
「あ……あっ」
「ここに、全部。……挿れさせて?」
「ん、っ……ンっ」
とろみを帯びたローションの感触と共に、彩人の指が壱成の窄まりをくるりと撫でた。きゅん、きゅんと切なく疼くナカを早く埋めて欲しくてたまらない。
スラックスを脱ぐのももどかしく、壱成は自ら四つ這いになり、腰を高く突き出した。
「あやと、全部欲しい……ここ」
「エロ……。今日はバックがいい?」
「早くしたいんだよ。なぁ、挿れろよ……彩人」
「ははっ……待てができねーのはお互い様だな」
「ぁ……っ」
大きな手で腰を包み込まれ、熱く硬いものが、ぬる、ぬると双丘の谷間に擦り付けられる。それだけでも気持ちが良くて、だけどひどくもどかしくて、壱成は「ぁ、あ……ん」と声を上げながら、自ら腰を揺らしてしまう。
その瞬間、ぬぷぷ……と狭い窄まりを割って、熱い屹立が壱成のナカを暴き始めた。壱成はたまらず「あ! ァあっ……!!」と呻き、ぎゅっとシーツをきつく握った。
「っ……ハァっ……壱成……」
「ぁ、ああ、あ……ッ……ん……」
いっときは「無理させてる気がして」と遠慮して、壱成への挿入を控えていた彩人だ。だがここのところ、だんだんお互い遠慮がなくなって、挿入ありのセックスの回数も増えている。
初めこそ、受け入れることに不慣れだった壱成の後孔も、今では彩人のために誂えたかのように柔らかく馴染み、すんなりと挿入を受け入れることができるようになった。
前立腺での快感を覚えてしまったこともあり、かつては芯を持つことさえ難しかったペニスまで勃ち上がってしまうほどだ。
ゆっくり、ゆっくりと中を満たされてゆくにつれ、内側から快楽が全身をめぐってゆく。彩人は壱成の背中に覆いかぶさると、ちゅ、っとうなじにキスをして、耳元で色香溢れるため息を漏らした。
「あ……やば……動いてねーのに……イキそ」
「ん……ほんと……に……?」
「うん……すげ、うねって、熱くてさ。……はぁ……壱成」
堪えるような彩人の声に耳を責められ、ぞくぞくするような甘い刺激に腰が震えた。ぱた、ぱた……と壱成の先端からは滴が落ち、シーツにはしたない染みを作る。
こらえようもないほどの快感と愛おしさとが混ざり合い、壱成のまなじりには涙が浮かんだ。
「……あやと……うごいて、いいから」
「いいの? もう大丈夫か?」
「いいよ……っ、おれももう、さっきからイキそ……」
横顔で彩人を見上げ、なかば涙声になりながら懇願すると、腰を掴む指に力がこもった。
最奥まで隙間なく埋めていた彩人のペニスがゆっくりと引かれてゆくと、ふたたび大波のような気持ちよさが背筋を駆け上がってゆく。壱成は腰をしならせ、「ぁ、ああ、ぁ……ん」と甘えた声を上げた。
そして再びゆっくりと奥まで暴かれ、徐々に抽送が激しくなった。ぱん、ぱん、と肌がぶつかる音と結合部の濡れた音とともに、彩人の吐息が壱成のうなじにふりかかる。
「あ……ッ、ぁあ、っ……ん、んっ……ン……!」
「壱成……っ……ハァっ……。すげ……気持ちい……」
「ぁっ……、ぁ、ん、あ、あ、あっ……」
きつく背中から抱き締められながら、ずんずんずんと激しく突き上げられれば、壱成はただただ喘ぐことしかできなくなる。打ち砕かれた理性の中にある本能を剥き出しにされ、ひたすら快感を注ぎ続けられ、壱成は早々に中イキしてしまった。
「ぁ! ぁ、あやと……っ……ぁ……んんっ……!」
「っ、きつ……やばいってそれ、っ……ハァ……っ」
「あやと、……はぁっ……きもちいい、……あやと……っ」
「俺も……、すげぇ気持ちいい。壱成……好きだよ、……愛してる」
「ぁ……っ……! ぁあっ……ン……」
愛の言葉を囁かれながら一番奥まで深く満たされ、幸せでたまらなかった。シーツを握る拳を包み込む彩人の手に縋るように、壱成はぎゅっと指を絡めた。
艶かしく揺れる彩人の腰つきに酔わされながら首筋を甘噛みされ、壱成は再びびくびくっ! と中イキさせられてしまう。
「ぁ……あ! はぁっ……ン、あっ……!」
「っ……。ナカでイくの、うまくなったじゃん。……かわいすぎ」
「ん、ん……っ、きもちいい、からっ……ぁっ……」
「ははっ……うれしすぎんだけど。……ああ、も、俺もイキそ……」
余裕のない彩人の声が好きだ。心も身体も、壱成の全てを欲して腰を振る彩人の欲望は心地良く、壱成の身体をさらに熱くする。
激しいピストンで休むことなく攻め立てられ、冷めゆくことのない快感に溺れさせられ、声を殺すことさえ忘れてしまう。
ひときわ激しく奥を突き上げられ、彩人の絶頂を感じながら、壱成もまた達していた。くたりとベッドに倒れ伏すと、彩人も脱力して、壱成の隣に横たわった。
はぁ、はぁ……とお互いの荒い呼吸に身を任せながら、ゆるゆると顔を上げてみる。すると、すぐそこに陶然とした彩人の眼差しがある。
無言で見つめ合ううち、自然と唇が重なり合う。事後の肉体を労わるような、ゆるやかで優しいキスだった。
「壱成……」
「ん……?」
「好き」
「……ん……俺も、好きだよ」
理性の壁が崩れている今、溢れるのは素直な気持ちだ。普段は照れて言えないけれど、こんな時くらいは、まっすぐ彩人に伝えたい。
そうすれば、彩人の心底嬉しそうな笑顔が花開く。この素直で可愛らしい笑顔は、かけがえもないほどに愛おしい。
……こんな願いさえ、聞いてやってもいいかなと、思ってしまうほどに。
「壱成……もっかいやろ? 今度はさ、壱成がケモ耳つけてよ」
「………………は? なんで」
「俺なんかよりぜーーーったい似合うから」
「いやいや……そんなわけねーだろ、なに言ってんだよお前。俺、シャワー浴びて……」
「なぁ壱成ー、いいだろ?」
「うっ……」
甘えを含んだ眼差しでじっと見つめられてしまうと……壱成も弱い。さすがイケメンホストというべきか、なんというべきか、壱成のスケベ心をくすぐる術を完全に掴んでいるらしい……。
「……い、一回だけなら……まぁ、いいけど」
「マジで!? やったね!」
羞恥心を揺さぶられはするが、彩人の喜ぶことならば、何でもやってみてもいいかな……と思えてしまう自分が怖い。
――まぁ、ハロウィンだし。たまにはこういうのもアリだよな……。
イベントごとにかこつけて、真面目な自分を納得させる。壱成はケモ耳を拾い上げ、彩人の上に跨って――……。
初めてふたりで過ごすハロウィンは、砂糖菓子のように甘く、甘く。
そして、とても刺激的な夜だった。
『ハロウィンナイトは砂糖菓子』 おわり♡
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