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第五話 異常 /2

 あとは抵抗しなかった。  情事が始まったが、野木崎は先ほどの言動に反して丁寧に匠を愛でた。衣服を取り払えば肌がなまめかしいと褒め、表情の機微を見逃さず、その都度好感を訴える。  強引にひれ伏されて悲観的であったはずが、陶酔感を覚える。その事態を不快に思えない自分が、恨めしかった。

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