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第二章・8

 声など立てるものかと意地になっていた思いが、どんどん揺らぐ。  息があがってきた。  呼吸が苦しいだけではない艶が、そこに含まれていた。 「はぁッ、は、あ。あッ、あぁ」 「喘ぎだしたぜ。色っぺえなぁ」 「あぁ、俺もうイッちゃうぜ!」  咥内に突き立てていた男が、先に達した。  大量の熱い精液が喉奥に放たれ、藍はそれを全て飲み干した。  顔を汚されたくないから、との思いの裏に、性欲に隷従する淫靡な本能があった。  唇が自由になったところで、腰に打ち込まれる肉棒がふいに内壁の敏感な部分をこすった。 「ああっ!」  思わずあげた悲鳴には、色気が充分混じっている。  調子に乗った男が、さらに激しく腰をやり始めた。 (あぁ、いけない。なんだか気持ちよくなってきちゃった)  打ち込まれ、引き抜かれ、また打ち込まれる。  抽挿を繰り返され、内壁が擦られるたびに目のくらむような快感が藍を襲った。  無表情だった顔は紅潮し、瞳がうっとりと潤み始めた。  硬く噛みしめていたはずの唇はいつしか緩み、甘いさえずりが漏れ出してきた。

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