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第1話

「どこに、行くの?」 僕の質問に、お父さんは優しく笑った。 でも、その顔は少し寂しそうで、辛そうに見えて。 その瞬間、僕は間違った質問をしたんだって思った。 「.....ミライを、守ってくれるところだよ」 長い時間、お父さんは車を走らせて。 流れる景色もにぎやかな市街地から、緑あふれる風景にかわる。 さらに、緑の深いところ。 僕は寝ることもできずに、ずっと車窓からの風景を眺めていた。 なんか、予感がした。 きっと、この景色は、もう二度と見られないかもしれない。 だから、単に眺めていたんじゃなくて、目に焼き付けるように、忘れないように。 車が離合できないくらい細い道を抜けた山道の先に、高い塀に囲まれた白い建物が現れた。 隔離された、そんなところで。 僕は車を降りて、その建物を見上げた。 .......少し、緊張して。 手荷物を持つ手が汗ばんで、力がはいる。 お父さんが、僕の肩に優しく手を置いてくれた。 「ここは、ミライと一緒の子がたくさんいるから、安心だよ。 これからは、あまり会えないけど、手紙を書くからね、ミライ」 「うん、ありがとう。お父さん」 僕を見るお父さんの目が、潤んで、揺れる。 「あ、あと、これ。ミライにプレゼント」 そう言うと、お父さんは僕に包装された箱を渡してきた。 「これ、何?お父さん」 「ミライを守るもの」 苦しそうに、絞り出すように、お父さんは声を出して、しがみつくように僕を抱きしめた。 「ミライ......ごめん。 ミライの未来は、お父さんには守れない。 でも、ここにいたら、きっとミライには明るい未来が待ってる......。 愛してるよ、ミライ........お父さんを許して.....」 このとき、お父さんは泣いていたと思う。 僕に泣いた顔を見せて、不安にさせないように。 感情も声も涙も、すべて押し殺して、僕をありったけの力と愛情で抱きしめてくれたんだ。 「........お父さん、心配しないで。僕は、オメガとか関係なく、自分の力で未来を切り開く。オメガを言い訳にしない。大丈夫だから。 今まで、ありがとう。 さよなら、お父さん」 僕にすがりつくお父さんの肩に手をかけると、僕はその震えてる体を離した。 そして、お父さんに向かって、僕は笑う。 お父さんは、泣いているのに。 僕は、泣けなかった。 泣けなかった、というより、涙すら出てこなかった。 いつもそう、僕は自分に対してかなりドライだ。 悲しくもなければ、寂しくもない。 いつかは、遅かれ早かれ、こんな日がくるって思ってたし。 正直、お父さんには二度と会わなくていいと思ってたし、嘘八百の言葉を羅列した手紙なんて、なおさらいらない。 オメガだから......だから、なんなんだよ。 僕は、大きな鉄格子の門に手をかけた。 これから、今日から、ここが僕の〝居場所〟なんだ。 別に、守ってもらわなくたっていい。 自分の未来は、自分で切り開く。 僕に必要なのは、ただ、それだけなんだ。 「ほら、ミライ。もっと腰を使わないと、アルファ様に番ってもらえないぞ? .......何回、言わせりゃわかるんだ!もっとよがれよ!!」 「!!」 僕の顔に張り手が飛ぶ。 歯をくいしばるのが遅れてしまって、口の中を切ってしまった。 口の中が血の味がする........。 〝ヒートのリハーサル〟なんて言って、無理矢理ヤッてるくせに、偉そうにするなよ。 アルファでもないくせに。 僕は思わず、僕に張り手をかましたそいつを睨んでしまった。 「おい!〝出荷前〟の大事な商品に傷をつけるな!!値が下がったらどうする!!」 園長の金切り声が、僕の耳を貫く。 「ミライ、お前なぁ。 明日はオークションなんだ。お前は器量がいいから高値がつく。さらに床上手のオメガとくれば、引く手数多だ。 自分の未来は、自分で切り開くんだろ? 自分の為だと思って素直になれや。 なぁ、ミライ」 ........うるさいな。 オメガって、お前らが烙印を押してる時点で、僕が思い描いている未来とはかけはなれてるんだよ。 「まぁ、いい。 どうせ、ここにいられるのも明日までなんだ。 オークションで売れれば最低でも命の保証はある。 売れなければ、ここから出て行くさだめだからな。 ヒート前のオメガが外に放り出されたら、想像に難くないなぁ。 まぁ、せいぜい頑張れよ、ミライ」 ムカつく......。 でも、落札されなければ、本当の意味での自由が手に入るんだ。 僕が、ここにきたのは12歳の誕生日だった。 表向きは、「オメガ保護施設」 外界のあらゆる危険性からオメガを守って、ヒートが来る前に、マッチングしたアルファに引き取ってもらえるー。 なんて、夢見たいな保護施設を売りにして多くのオメガを施設で養う。 そして、その親から寄付金を募る仕組みだ。 でも、実際は違う。 守るどころか、オークションと称した人身売買で僕たちをアルファに売る。 高く売るためには、よりいいオメガをアピールするために何かしらオプションをつける。 だから、行為になれさせるために、虐待に近いことをされるんだ。 お父さんは、まんまと騙されたクチなんだろうな。 オメガの子たちは、もともと大人しくて弱い。 こんな日常に萎縮してしまう子や精神的にキてしまう子もいて、見ていていたたまれない。 きっとこの子たちは、心も潤っていて綺麗なんだ。 僕みたいに、乾いてなくてスレてない。 リハーサルはキツいけど、僕にとってはそれがすべてじゃない。 我慢していれば、いつかは終わる。 ただ、それだけ。 「ミライ......明日、緊張するね」 やっぱりリハーサルが終わった、檀が僕に声をかけた。 目が赤い......ツラくて、苦しかったんだ。 涙の跡が、ほっぺたにクッキリ残ってるから、僕は、檀の肩をそっと抱き寄せた。 「.......ミライは、ツラくないの?リハーサル」 「キツい......よ、やっぱり。 でも、僕は大丈夫。 日頃ドライな僕が、怖がったり泣いたりしたら、みんな余計怖がるだろ?」 僕の言葉に、檀が小さく笑う。 「ミライ......一緒にいられるのは今日が最後だけど、離れ離れになっても友達でいてくれる? 僕を忘れないでいてくれる?」 「当然!絶対、忘れない。 ......いつか、自由になれたら、僕、檀に会いに行くよ」 檀が僕にしがみついて、小さく肩を震わせた。 不安、だよなぁ。 不安だけど、かけてあげるべき言葉が見つからなくて......。 僕はしばらく檀の肩をそっと抱き寄せて、小さな窓から見える、小さな星空を見ていたんだ。 明日。 明日で、僕のこれから決まるんだ。 束縛されるか、自由になるか。 明日で、決まる。 「ミライ.....もっと、愛想よく」 園長の小さな声が背後で響いたと同時に、背中に針で刺すような小さな痛みが走る。 つい、条件反射的に。 僕は、園長に言われたとおりに〝愛想笑い〟を浮かべた。 園長は、必死なんだろうな。 高値で落札されれば、園長に75%のマージンが手に入る。 残りの25%は、親に行く仕組みだけど、実際はどうだかわからないしな。 僕は.......出来るだけ目立ちたくなかったんだ。 できれば、誰の目にも止まらず、落札されずにこのオークションをやり過ごしたい。 だって、本当の自由が手に入る、最後のチャンスだから。 「あの.......」 あまりにも違うことに想いを馳せすぎて、目の前の人の声に、ガラにもなくビクついてしまった。 「.......はい、なんでしょう?」 僕の声を聞いて、目の前の人が目尻を下げて優しく笑う。 「6番って書いてあるけど、名前......教えていただけませんか?」 .......いいのかな?オークション前なのに。 そんな個人的なこと。 まぁ、この人は多分、興味本位で聞いてきただけだろ.......。 そう思って、僕は愛想笑いをキープしながら言ったんだ。 「ミライです」 「ミライって、未来の未来?」 「カタカナのミライです」 「.......ステキな名前ですね。ありがとう、教えてくれて」 そう言って、その人はやっぱり優しげな笑顔を浮かべたまま足早に僕の前から去っていった。 な、なんだったのかな......あの人。 このオークションは、アルファのためのオークションなのに。 物腰が柔らかくて、他のアルファっぽい人とは全然違っていて........お金持ちの執事かなんかかな? って、勝手に想像してしまった。 それが、大きな誤解だったってのに、僕はこの後、すぐ気付くことになる。 「6番、3億9,800万円で落札が決定いたしました」 .........さ、さんおく....。 ほぼ、4億じゃん、この金額。 なんで!? なんで、僕に、そんな桁外れの金額がつくんだよ!? 開いた口が塞がらないって、こういうこと言うんだろうな、会場が水を打ったように静かになってるし。 間違い........間違い......だ。 だって、僕は今日、落札されずに自由を手に入れる予定だったんだ。 .......なのに.......なんで?! 「落札された258番の方、こちらでサインをお願いします」 司会者の案内で壇上にあがった人は、さっきの......さっき、僕の名前を聞いてきた人だ。 物腰が柔らかそうで優しげな笑顔をしているその人は、会場の全員が度肝を抜くような金額で僕を落札して、なおも平然としているから。 僕はなんだか、無性に腹が立ってきた。 こんなの、ウソだ。 思わず、その人を睨んでしまう。 サインをし終えたその人は、僕の視線に気付くとまた優しく微笑んで僕に近づいてきた。 「はじめまして、じゃないな。 こんにちは、これからどうぞよろしく。ミライさん」 「............」 「あら?ご機嫌ななめですか?まぁ、いいや。そんなところもかわいいですから」 「..........!!」 無言の抵抗をしていたんだ、僕は。 こうすれば、気が変わって落札をキャンセルするか、僕を捨てるか........賭けにでたんだ。 にも、かかわらず。 その人は、僕を軽々しくと抱えるとその場から颯爽と立ち去った。 抵抗する間もない、あっと言う間すぎて、僕は動けなくて.......。 慌てて、その人の肩越しに壇上の檀を見た。 .......見なきゃ、よかった。 優しくて、脆くて、かわいい檀の顔。 今、嫉妬や不安、憎悪が入り混ざった顔で僕を見ていて。 心がズキッとした。 なんで、あんなにキレイな檀じゃなくて、僕だったんだろう......。 そう思うと、再び怒りがこみ上げてきた。 「ちょっ!!ちょっと、おろしてください!!」 「え?」 「おろしてってばっ!!」 「......逃げない?」 「......逃げません」 「絶対?」 「......絶対、逃げません。僕にはあなたが払った4億分ちゃんと奉仕する義務があります!逃げません!!だから、おろしてください」 その人は「しょうがないなぁ....」と言って、僕の足をようやく地面につけてくれた。 「あの......1つ聞いていいですか?」 「何?ミライさん」 「どうして、僕だったんですか?......納得、いかなくて。他の子の方がキレイだし、優しいし......なんで、僕を....」 その人は、僕の口先に人差し指を添える。 「君が.....ミライさんしか、目に入らなかったし」 .......そんな風に言われたら、何も言えない。 僕になんか興味を持たないで欲しかった。 せめて.....せめて、檀を選んで欲しかった......。 檀のあの顔が忘れられなくて、もう2度と檀に会えないかもしれなくて、最悪な最後の別れ方をしてしまったから。 悔しくて........檀のことが気になって、涙が出てきた。 「そんなに嬉しいんですか?」 「........ち、違う!違います!」 その人は僕を覗き込んで、また、あの優しい笑顔を見せる。 「不安?」 「............」 「心配しないで.......君を怖がらせるようなことは、しないから」 「.......ウソだ。.......嘘つき。こんなこと、アルファが言うはずない........嘘つき」 僕が〝嘘つき〟って、言うか言わないか......。 フワッと包まれるように、僕は抱きしめられた。 園長は、いつも僕に言ってた。 アルファは、強い。 強いから、お前たちを生かすも殺すもアルファ次第なんだ、って。 だから、殺されないように、オメガはアルファにご奉仕するんだ、って。 そんなアルファが、僕は嫌いだった。 嫌いだったのに........目の前のこの人は、心がグラつくぐらいアルファっぽいアルファじゃなくて.......。 僕は、一体何を見てきたのか。 僕は、一体何を聞いてきたのか。 僕の中の底辺に巣作っていた、概念がポロポロ崩れていくような......。 優しく抱きしめられたせいで、余計、そんな風に感じてしまったんだ。 身長は僕より少し高いくらいで。 でも、体つきは均整が取れていて、僕の倍ぐらいありそうで。 破顔一笑って言うのかな、目がなくなって楽しそうに笑う。 岩崎理一郎、それがその人の名前。 全てが、僕の対極にある人。 そう、心でさえ潤っていて。 僕は一緒の空間にいるといたたまれなくて、窓の外とか飾っている絵とか、無駄に眺めてしまう。 その体も。 その笑顔も。 潤った心でさえ。 理一郎の持ってるものは、僕は一生かかっても、絶対に手に入れることはできないと思う。 それくらい、キラキラして見えるんだ。 僕はオークション会場から、そのまま理一郎の家.......いや、お屋敷に連れてこられた。 白い大きな建物は、施設に似てるけど。 冷たい感じがした施設とは違って、なんだか、空気が暖かい。 でも、なおさら。 こんな.......こんなお屋敷の........。 4億をサラッと支払えるくらいの財力があるなら、僕はきっと理一郎やその家族の玩具になるんだろうな、って。 4億の玩具なんて、なんて酔狂なんだって思ったけど、僕は、覚悟を決めたんだ。 「ミライさんの荷物、施設から宅配便で送ってくれるって。ごめんね、俺、あんまりオークションの仕組みよくわかってなくって。あのまま、連れてきちゃってさ」 「別に......なくなって困るものもないので.......わざわざ、すみません」 なんか、居心地、悪いな.......。 多分、顔にもそういうのがにじみ出ていたんだろうな。 理一郎が、僕のとなりに座ってきた。 「俺がミライさんを選んだ本当の理由、聞きたい?」 「.......はい。お願いします」 きっと、玩具の件だ......。 まだ、正直に言ってくれるから、まだ、マシかもしれない。 「ミライさんの香りと、瞳に惹かれました」 「........はい?」 「多分、俺たち〝運命の番〟です。多分」 .........いやいや、いやいやいやいや。 そんなこと、あるわけないよ。 僕は慌てて自分の体の匂いを嗅いでしまった。 ヒートは......ヒートはまだ、まだきてないハズ。 その証拠にオークションの最中は、いたって平穏だったから.......。 「..........え、と?」 「香りは本当に微かです。 あと、その真っ直ぐで嘘のない瞳がキレイで、思わずオークション会場で名前を聞いてしまったんです」 「.........では、もし僕と理一郎さん〝番〟になったとして.......僕は、理一郎さんの何番目ですか?」 「何番目?」 「理一郎さんには、奥様とかいらっしゃるんでしょう?僕は何番目に愛してもらえますか?」 僕のと質問に、理一郎は目を見開いた。 ほら、みろ。 どうせオメガだからって、高を括ってたんだろ? アルファには、オメガは敵わないから。 多少ステータスは上がったとしても、その中でオメガが底辺なのは変わらない。 玩具にして、飼い殺して、捨てる......。 〝運命の番〟とか調子のいいこと言っても、所詮、アルファとオメガの関係性は変わらないんだ。 理一郎が少し怒ったような顔をした。 ........図星、なんだろ? 「ミライさん」 「なんですか?」 「それは、愚問というものです」 「........ごめんなさい、おっしゃってる意味が」 「1番目に決まってます。運命の番だし。それに、俺、独身なんですけど」 「...........」 その時ドアをノックする音が、部屋の外から聞こえた。 怒った顔をしていた理一郎が、ノックの音でまた優しく笑う。 「ミライさん、あなたの部屋の準備ができたみたいです。案内しましょう」 理一郎は、僕の右手を.....まるで、真綿を掴むみたいに、優しく手にとったんだ。 なんか、調子が狂う......。 理一郎と会話をすると、なんていうか、暖簾に腕押しみたいで、僕の言葉をスルスルかわしていくから。 僕の気持ちを見透かして、さらにその上をいく回答をする理一郎が、わからない。 施設も穏やかな子が多かったけど、理一郎くらい洗練された穏やかな子はいなかったな......。 僕は、どうしていいか、分からなくなる。 しかも、この部屋.......。 お姫様かよ、ってくらいヒラヒラ、キラキラしてるし、今まで施設で暮らしていた部屋の何倍もあって。 身の置き所が見当たらない。 実は、目が覚めたら夢でした、とか。 ドッキリとかさ。 まだそっちの方が、気が楽だ。 .......檀、大丈夫だったかな。 一番、今日を不安がってた、檀。 最後に僕を見た、檀のあの目が忘れられなくて.....胸が苦しくなる。 檀は、檀だけは幸せになってほしい。 今の僕は、檀の幸せを祈る事しかできないから。 僕は小さなソファにもたれて、檀のことを思い出していたんだ。 ーコンコン。 僕の......居心地の悪い僕の部屋をノックする音がした。 『ミライさん、入っていい?』 この声、理一郎。 「......はい、どうぞ」 「くつろいでるところ悪いだけど、ミライさんの好きなものとか嫌いなものとか教えてくれないかな?」 .........身の置き所がないのにくつろげるハズがない。 .........好きなものは、ない。 .........嫌いなものは、園長たちとアルファ。 って本音が言えたら、どんなに楽なんだろう。 「それは.......?食べ物ですか?それとも」 「全部のジャンル、かな?ミライさんのオークションのプロフィールとか、そういうのが全く記載されてないから........」 なんだ、園長らしい手抜きだな。 「食べ物の好き嫌いはありません。 服とか色とかのこだわりもありません。 好きなのは.......本...を読むこと。あと、掃除とか一心不乱にできる仕事が好きです」 理一郎が「何、それ?」って、楽しそうに笑った。 「僕、何かお仕事させてもらえませんか? なんかこう、手持ち無沙汰というか、なんというか。なんでもします。なんでもできますから!お願いします!」 「ミライさん」 理一郎の手が僕の頰に触れた。 あたたかい柔らな理一郎の手なのに、僕は、つい、ビクついてしまう。 こんな風に頰を優しく触れられたのって、いつぶりぐらいだろう。 ........頰に触れるといえば、施設では殴られるだけだったから。 その体に刻み込まれた記憶が、思わず僕をビクつかせたんだ。 「部屋でボーっとしてるのもなんだし.......働きたいんです。ダメですか?」 「ミライさん。ここは今まで君がいたところと違うんです。......もっと、俺に、甘えてください。何にも心配されることはありませんから、ね。ミライさん」 僕はまた、理一郎に優しく抱きしめられた。 .........そんなことしたからって、僕は変わらない。 調子が狂うだけなんだよ.......。 夢なら、早く覚めてほしい。 こんな、甘ったるい生活に慣れてしまう前に......。 こんな僕にでさえ、気を使ってる理一郎になんか悪い気がして........。 神さまが、もし本当にいるなら。 僕を早く、現実に引き戻してほしい。

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