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二、魔王を倒すにはまず仲間集め!⑧
「知りたいなら、ベッドに行こうか、救世主よ」
「え、あ、まだ俺達の屋敷とか用意されてないから」
「では触手城に。終わって戻る頃には屋敷が出来てるはずだ」
ひー。生々しくて無理だ。
「では、俺の部屋をお二人にお使いください。俺、違う部屋用意されるまでレベル上げしとくんで」
リーが俺たちにそう提案すると、剣を振り上げる。
こいつ、もうレベル100近いよな。どこまでレベル上げたら気が済むんだ。
「グー、聞いてくれるか」
「なんでしょう、魔王様」
「俺たちがあはんうふんしたベッドに、後日一人勇者が寝るってくそ萌えないだろうか」
「……全く萌えないでございます」
「そうか? 俺達の情事した場所で一人さみしく寝るんだぞ」
うるせえな。静かにしてろよ、変態性癖め。
「あ、あのう、お部屋が整いましたが、お二人で大丈夫でしょうか?」
美少年がびくびくしながら俺たちを見る。
が、魔王は美少年を前に表情を変えなかった。
変態魔王なら飛び付くと思ったのに。
「行くか」
「……まじかよ」
俺の処女、グッバイ。
美少年に連れられて死刑台へ向かう俺。
明日の朝、ベッドに薔薇の花弁のように美しく散っているだろう。
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