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第6話

郁side 「ただいまー。」 シーン・・・・・・・・・・ 寮に戻っていつものように言うけれど、「おかえり」と言う声も、周りのにぎやかな音もしない。 「はぁー。一人ってこんなに寂しいんだ・・・・・」 とりあえず制服を脱いで、 私服に着替えて薬を飲み、 春ベッドに転がった。 この部屋は二段ベッドではない。 春のベッドが手前にあって 奥に郁のベッドがある。 「春の匂い・・・・・スゥ‐・・・・・スゥ・・・・・」 春は、郁にとっての安定剤みたいなもの。 だから、 こうやって春がいない時は、春の布団にもぐる。 どのくらいの時間が経ったのか分からないけど、結構寝ていた気がする・・・・・ 枕元に置いていたスマホの通知を示すライトがチカチカと点滅していた、 「あ、LINE・・・・・」 春からだった。 『大丈夫か?今まだ、教室だけどもうすぐ帰るな?コンビに行くけどなんかいる?』 今から5分前 5分って事はもうすぐ春は帰ってくることになる・・・・・ 「Σ(´□`;)・・・・・春ごめん!!」 ガチャ・・・バタン ドアの開く音 春が帰ってきたんだ・・・・・ 「ただいまー」 「・・・・・おかえり。」 「!?・・・・・ビックリした。 寝てるかと思ってた」 「ついさっき起きたとこ」 「悪い、起こした?」 「うんん、違う」 「そっか」 春はベッドの脇に腰を下ろした 「 痛みはどう?」 「もうだいぶ治まったよ」 「お昼食ったか?」 「あ・・・・・食べてない。けど、そこまでお腹空いてなくて」 「ゼリーとヨーグルト、プリンとかなら適当に買ってきた」 「ありがと(´∀`*)春だけ、食堂で夕食食べてきていいよ?帰ってくる時、俺の分いらないって言ったから。」 「それなら大丈夫!俺も言ってきた。それにカップラーメン作るから。」 「ごめん(__)」 「なんで謝んの?俺は、郁のそばにいたいからしてるだけ。こうやって俺の布団で寝てるくらいだし、寂しいんだろ?」 「そんなわけ・・・・・なくもない」 「まったく、素直じゃないなぁー。」 「…ありがと!」 「どういたしまして。」 春は、郁の頭をなでた 「くすぐったいけど気持ちいい・・・・・」ウトウト 「また寝れば?」 「んー・・・・やだ」 「体調悪い時は無理せず寝とけ。ほら少し寄って」 そう言って郁の隣にころんだ。 「ギュッてしててやるから。」 「ん。・・・・・・・・・・・・・・・スゥ・・・・・」 「相変わらず、体調悪い時だけ、寝るの早いなぁー。」

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