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第13話
郁side
これは春から聞いた話。
あいつらと関わる原因になった…。
中学の頃 春side
中学で奏芽は有名な悪だった。
郁と春が中学に入学した頃、目立つ存在だったのは、3年生の「涼」2年生の「奏芽」「爽」「達」1年生の「レオ」の5人だった。
「涼」は、学校に滅多にこない。来たと思えば他校の不良を連れて、先生を幾度となく困らす。
「レオ」は入学早々に窓ガラスを割ったりクラスメイトとのケンカが絶えず、一週間の謹慎処分をくらったやつ。
まだこの2人は可愛い方だった。
『2年生のこの3人だけには絶対に近づくな』
先生の間でもこう言われていた。
そう、この3人に近づこうものなら病院送りにされかねない。身体的にも精神的にもボロボロになっていく。
ある時だった…
春の友達の佐藤くんが腕を包帯でぐるぐる巻きにしてきた。
「え、それどうしたんだ?」
「あー、いや。少しチャリで転けた」
「本当に?」
「嘘なんてつくかよこんなこと」
「そ、そうだけど…」
それから何日か後には佐藤くんは学校に来なくなった。
2ヶ月後。
佐藤くんが入院した。
そこは精神科。
春は会いに行ったが話すらさせてもらえない状況にあった。
春は奏芽達のせいだと知っていた。
そして……
たまたま廊下ですれ違ったある日。
春は奏芽に声をかけた。
「……あの、すいません。」
「ん?俺?」
「はい。」
「で?なに?」
「佐藤って知ってますよね?」
「あー、あいつね。すぐダメになったからつまらなかったわー笑」
「…」
「ふはっ笑 なに?友達気取り?マジウケる笑 あんな使いもんになんねぇ奴なんてほっとけよ笑」
「…っ……!いい加減にしろ!人はものじゃない!フザケンナ!!!」
「俺に楯突くんだー。なに?やんの?」
「…受けてやるよ!」
そして体育館裏にてケンカを始めると、どこかで嗅ぎつけた先生が止めに入ってきた。理由を問われて、話せばそのまま何もなかったことにされた。
春はそれが許せなかった。
数日後。
また廊下ですれ違った時、春は睨んだが、なぜか奏芽はニヤリと笑った。
何が起こる。そう予感していた。
なのに標的は春自身ではなく……郁だった。
郁が奏芽達に捕まり、普段使われていない体育館倉庫に閉じ込められていた。
郁は何度が殴ったり蹴られたりした。
放課後捕まって夜遅くまで閉じ込められたままだった。
それ以来、手出しはしてこなくなったが、春や郁と奏芽達の関係は最悪のものとなった。
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