17 / 201
第17話
真羽side
バタバタと音がして春が来たのだとわかり声をかけた。
「春!」
「真羽!俊に聞いたら、まだって。」
「うん・・・」
「あー、くそ!俺が・・・くそっ!!」
「春!落ち着け!!」
あまり声をはって強い口調で言わない僕からのその一言に驚いた顔をした春は深呼吸をした。
「ごめん。」
「分かったならいいよ!」
「どうすっかな・・・」
沈黙・・・・・
そしてピコンと春のスマホが鳴った。
画面を覗き込むと
『郁からメッセージが送信されました』
そう書かれていた。
目を見開き互いに目を合わせ頷いた。
素早く画面ロックを外し、表示ボタンを押す。
郁からのLINEだった。
『ごめんね。心配しないで?大丈夫だよ。夜にはちゃんと帰るね。』
「郁から!?」
「・・・・違う・・・・・・これ、郁じゃない。」
「え、でも・・・」
春は電話マークをタップして、郁にかけた。
何コールかあとに『おかけになった電話番号は・・・・・・・・・・』
そう聞こえてきた。
「郁じゃない・・・・・違う誰かだ・・・」
僕はこの状況に何も言えなくなった。
ともだちにシェアしよう!