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第79話

春side 陽太さん以外の3人でテレビを見て夕食ができるのを待つ。 「できたよー」 陽太がそう言うと、郁が一番に立ち上がり机へ料理を運んだ。その姿を了さんと見て笑った。 「郁は食いしん坊」 「そうですね」 「…誰が食いしん坊?」 「あ、聞こえてたの?」 「もー、お父さん!」 「ハハハハ」 「もぅ……あ、春はここ座って。」 「ありがと」 4人で食卓に着く。 「いただきます」 手と声を合わせて言う。 「ん、うまっ。」 「そうよかった!」 「陽太さんの料理久々に食べたけどほんと美味しいです」 中学の時に一度泊まりに来たことがあった。あの時も今日と同じで唐揚げだった。陽太さんの唐揚げは本当に美味しくてあの時のことを思い出させた。 「そう言ってもらえると嬉しいよ。明日は何が食べたい?」 「オムライス!」 陽太さんの問いに即答したのは郁だった。 「郁に聞いてないよー」 「えー」 オムライスは郁の大好物の1つ。 「俺はなんでも好きなんで」 「じゃあ明日のお昼をオムライスにしよっか。」 「やった!」 隣で郁が箸を持つ反対の手で小さくガッツポーズをした。 「本当好きなんだな?」 「うん!」

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