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第110話

春side 夕食前までリビングでゆったりと時間を過ごした。 いつもより少し早い6時ごろに夕食を取る。 「お肉美味しそう……」 唐揚げを食べる俺を見て郁が呟く。 「郁はさっき計ったら熱上がってたんだから消化のいいもの食べなさい」 陽太さんにそう言われてしまい、一瞬シュンとなった。 「1つ……ね?」 けれども、郁が俺を見てお願いしてくるので陽太さんを見れば、仕方ないなぁという顔をしていた。 「一つだけな?」 「ありがと!」 ニコニコと笑いながら大きめの唐揚げを頬張る。 熱が上がったのもあり少し辛そうではあったが、食欲もあって、すぐに治るだろうと思った。 汗をかいた体を洗いたいと郁が言ったが、陽太さんも了さんも俺もダメだと言った。 これ以上熱が上がったらどうするんだよ…なんて思った。 仕方なく、お湯でタオルを濡らし体を拭く程度に留まらせた。 俺はその間に急いでお風呂に入った。 そして郁に合わせて早めに布団に入って眠った。

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