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第111話

春side 日曜日 今日は特にどこへ行くと言う予定もなく、何もせずに家でくつろぐことにした。 郁の熱は夜中に上がりはしたが今はほとんど下がりきっていて微熱程度。 朝、三度寝?ほどした結果、起きたのはお昼だった。 「春くんもよく寝てたね」と陽太さんと了さんにクスクス笑われてしまった。 お昼を食べ終えたころ、真羽からLINEが来てグループ通話をしようということになり、俊も含め4人で電話を始めた。 寮の食堂でお味噌汁を先生が作ったところ美味しかったけどすごーく味噌が薄かったとか。 1年生の寮のとある部屋で水道が壊れて、その部屋ともう一つ下の部屋が水浸しになったとか。 真羽が間違えて冷蔵庫に教科書を入れてお皿をカバンに入れたとか。 面白い話を多く聞かせてくれた。 長時間笑っているからか頬が吊りそうだ。郁も隣でお腹を抱えてよく笑っている。 楽しい時間はあっという間で、終えた時の通話時間を見れば5時間を超えていた。 それを見て、郁とお互いに顔を合わせ笑い合う。 あと12時間後には郁と離れなきゃならない。郁ともっと長い時間一緒にいたい。でも……郁はあのことを思い出してしまうかもしれない。 いつか郁がその事を思い出してしまうんだと思うと、考えるだけでゾッとする。 この笑顔を失ってしまうかもしれない。郁は今以上に精神的に辛い思いをすることになる。 守ってあげたい。 守らなきゃ。 いや、ずっと守り続ける。

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