112 / 201
第112話
郁side
次に目が覚めた時、春と離れなきゃならない。
真羽たちとの電話を終えて、ご飯を食べた。
そして、お風呂に入って、ゴロゴロして、布団に入って…結構時間がたってると思う。
いつもなら春と向き合って寝てるのに、今日に限っては寂しくなって胸がギュッと苦しくなる。
春の顔がまともに見れない。
涙が零れ落ちそう。
声が漏れそうになるのを我慢して、唇をかむ。
春はいつも何かしらの連絡をくれたし、「電話できない時はLINEでもメールでも連絡は必ずするから」ってさっきも言ってくれた。
なのにどうして、こんなに苦しいの?
春に頼ってばかりじゃダメなのはわかってる。
お母さんやお父さんにだって……
ねぇ…僕はなぜ………
………僕はなぜ病院にいたの?
………僕はなぜ学校へ行ってないの?
………僕はなぜここにいるの?
ずっと考えてたことが一気に頭の中に押し寄せる。
今の僕はからっぽだ…
ともだちにシェアしよう!