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第112話

郁side 次に目が覚めた時、春と離れなきゃならない。 真羽たちとの電話を終えて、ご飯を食べた。 そして、お風呂に入って、ゴロゴロして、布団に入って…結構時間がたってると思う。 いつもなら春と向き合って寝てるのに、今日に限っては寂しくなって胸がギュッと苦しくなる。 春の顔がまともに見れない。 涙が零れ落ちそう。 声が漏れそうになるのを我慢して、唇をかむ。 春はいつも何かしらの連絡をくれたし、「電話できない時はLINEでもメールでも連絡は必ずするから」ってさっきも言ってくれた。 なのにどうして、こんなに苦しいの? 春に頼ってばかりじゃダメなのはわかってる。 お母さんやお父さんにだって…… ねぇ…僕はなぜ……… ………僕はなぜ病院にいたの? ………僕はなぜ学校へ行ってないの? ………僕はなぜここにいるの? ずっと考えてたことが一気に頭の中に押し寄せる。 今の僕はからっぽだ…

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