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第119話

春side 部屋にノック音が響いて、郁が大丈夫か焦ったけど真羽だと分かってほっとした。 真羽が俺を呼ばないということは症状は出ていないのだろう。 脱衣場で服を着ていると真羽の「おやすみ」という声が聞こえて、ドアの閉まる音が聞こえた。 肩にタオルをかけてお風呂場から出れば、郁がこちらを見て近づいてくる。 「髪…乾かさなきゃだめだよ?」 「あぁ、うん。」 「僕も入ってくるね?」 「ん。」 すれ違いざまに郁の様子がおかしいと感じた。 俯き、真剣に考え事をしているような顔。 何もなければいいんだけど。

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