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3.4
夜になると、また体が火照り始めた。
悪化する前に、もう一度抑制剤を飲んだ。
正直、あまり症状が変わった気がしない。
ただ吐き気と頭痛が強くなっただけだ。
薬のせいなのか、二日酔いのせいなのかも
よく分からない。
食欲もないし、さっさとシャワーを浴びて
ベッドに潜った。
深夜の気分は最悪だった。
これほど朝が待ち遠しかったことは
ないかもしれない。
少しの刺激で体が疼いて、火照りも治まらず
吐き気も続いていた。
夢うつつの中で、九条さんが俺にしたアレコレが
浮かんでは消えて、俺はそれを思い出しながら
何度か抜いた。
スッキリするのは少しの間だけ。
すぐにまた次の波が押し寄せる。
夢の中では時折、九条さんが政実になって
俺たちは獣のようにお互いを貪りあった。
実際はできなかったくせに…。
まるでその刺激を知っているかのように
政実を受け入れて腰を振っていた。
目が覚めると、襲ってくる罪悪感。
気分も体もドロドロだ。
訳もわからない涙が出てくる。
ー 九条さんのせいだ。
九条さんが俺にあんなキスしたから
あんな風に俺に触ったから…
冷たいシャワーで体を流して、熱を冷ます。
涙も流す。
発情期じゃなければ、政実達とカラオケして
飲んで食べて、そのまま政実の家になだれ込んで
今頃いっしょのベッドで寝ていた。
何もしなくても幸せだった。
でも、次 同じ事をできる自信がない。
ひとつのベッドなんかで寝たら
やましい気持ちでいっぱいで眠れないだろう。
ー 全部、九条さんのせい
草木も眠る丑三つ時だけど
電話でもして、文句のひとつも言いたくなった。
でも俺は連絡先すら知らなかった。
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