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4. diggin'!Diggin'! ※

夕方、部屋のインターホンの音で目が覚めた。 うたた寝をしていたのか。 家の中より、窓の外の方が明るく感じた。 まだ6時前だ。 ベッドから這い出て、顔だけ部屋から出して 玄関の方を見ると。 キッチン前の曇りガラスの小窓に人影が見えた。 一瞬政実が、俺を心配して訪ねてきたかと思った。 でも、そこに見えた人影は政実ではなかった。 というか、政実だったらインターホンを押しながら 何度もネギ!ネギ!と呼ぶはずだ。 静かにこちらの様子を窺うなんて、アイツは絶対 しない。 良かった…政実だったら居留守するしかない。 こんな状態で会ったらΩという事がばれてしまう。 ー でも、じゃぁ誰だ?セールス? まさか泥棒じゃないよな… 考えをめぐらせた瞬間ドアをノックする 音が聞こえた。 「和真 、九条だけど…いないの?」 声を聞いて飛び上がった。 縺れる足のまま玄関のドアに飛び付いて ドアを開けると驚いた顔の九条さんが 立っていた。 いたんだ、と声をかけられる前にその胸に 飛びついた。 「ばっ…、人に見られるぞ」 九条さんは俺を抱えながら、慌てて玄関に入って ドアを閉めた。 「九条さんがっ!! あんなこと、するから! 俺ずっと、変でっ …っ薬効かないし…! 九条さんのせいでっ!」 なぜだか泣けてきて バカな子供のように九条さんに全部ぶつけた。 「よしよし、分かった ごめん、ごめん。 もうちょっと小さい声でも聞こえるから… それじゃ、近所中に丸聞こえ」 玄関のドアに押し付けられたまま 九条さんは笑って、俺の頭を撫でてくれた。 「スゲー匂いだな、和真 酔いそう」 言いながらそっとおでこにキスをされる。 九条さんの服や髪だって 甘ったるい匂いでいっぱいだ。 フェロモンの匂いじゃない。 きっと、今まで一緒にいた人の 香水の香りだろう。

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