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羽鳥ツク
僕が先に部屋に入ると、バタンとドアが閉まる音がした。
目の前にはピンク色でハート型のベッドと小さいテレビ。
ツクは変わらずに鼻歌を歌いながら、ベッドに座る。
「あ、あの……ツク」
初めてのラブホテルの相手が男、そして会って数時間の人とだなんて。
昔の僕が知ったら、信じてもらえないだろうな。
「ああ、怖じけづいたぁ? でも……ここまで来たら戻れないよ」
僕を見てふっと笑ったツクは悪魔に見えた。
「ウォッシュレットでいいからお尻綺麗にしてきて? い~っぱい可愛がってあげるぅよ」
うふふと笑っているのに目が笑っていなかった。
「逃げてもいいけど……逃がすつもりはないから」
僕はゾワッとしたけど、不思議とイヤではなかったんだ。
「お待たせ……ツク」
恥ずかしさと怖さで時間は掛かったけど、お尻の穴を奥まで綺麗にしたつもりではいる僕。
そろそろとベッドへと戻ると、ツクは見慣れない道具を並べていた。
ボールが10個ぐらい、串団子のように連なっている棒に小さいボタンが繋がっているし、大きめの注射器もある。
あとは、指輪にしては大きいけど、輪ゴムにしては小さいリング状のもの。
「ぜんぜん待ってないよぉ。むしろ、待たされるの大好物だからぁ」
どこかで聞いたことがあるセリフだけど、どこでかは思い出せない。
「さぁ、ちょっと時間ちょうだいなぁ?」
そう言って手招きをされるから、花の甘い匂いに誘われていく蝶のように僕はTシャツとズボンを脱ぎ、ベッドに寝転んだ。
「パンツ、ブリーフ派なんだぁ。かわいいねぇ」
なんて言いながら無理矢理パンツを剥ぎ取り、ポイッと投げ捨てるツク。
そして、ゆるゆるとちんちんに触れる。
小さい手なのにしっかりしている関節がツボのようで刺激になるから、僕はだんだん頭が痺れてきた。
「ツクッ、あ、イや……やめ、て、」
「だいじょうぶ、ちょっと気持ちよくなってるだけだよぉ」
より強く、早く扱き始めるからますます焦ってくる僕。
「んっ……ンあっ、アアッ、うあっ」
確かに気持ちいいんだけど、同時に気持ち悪さもあるんだ。
僕なんかが気持ち良くなっちゃいけないんだって。
「い、や……イヤ、だ……ヤダぁ」
涙目になりながら抵抗したら、パチンと何かが跳ねる音が聞こえてきた。
びっくりしながらちんちんの方を見ると、根元にリングが嵌められていた。
「気持ちいいのがいいことだってわかるまで出させないからぁ」
ふふっと不敵に笑ったツクは今度、僕のお尻に液体を注入した。
「まぁ、手加減はしないからぁ……どんどん仕掛けていくから覚悟してな?」
低い声で言って僕の目の前にピンクの棒を見せた後、液体を奥に押し込むような感覚が後ろから襲ってきた。
「ん、ンあぁ……ンあああッ!」
いきなりちんちんに気持ち良さが迫ってきて、喘ぐ僕。
でも、抑えられているから詰まっていて気持ち悪い。
「もう1回目? まだ始まってないよぉ」
楽しそうに言うツクはズルズルと棒を抜いていく。
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