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1st butler

〝執事とは、教養があり、緻密かつ繊細でなければならない。 ご主人様の要求には必ず完全に答え、たとえそれが無理難題であったとしても、眉一つ動かさず、職務を遂行しなければならない。 ご主人様の信頼を裏切ってはならない。 そして、ご主人様の身に危険が迫った場合は、身を呈して、ご主人様を守らなければならない〟 小さい頃のおじいさまの記憶といえば、僕の目をジッと見つめて、何度も何度も、この言葉を僕に言い聞かせていた記憶しかない。 おじいさまは優しかったけど、その目は鋭くて、僕を射抜くように見つめていた。 僕の家系は、代々お屋敷に勤める執事の家系で、代替わりをする前くらいから、その執事の職を親から子へ受け継いでいる。 僕が幼いころ、一度、おじいさまに連れられてお屋敷に行ったことがある。 そこには、僕と同じ年くらいの男の子がいて、僕を見てにっこり笑った。 人懐っこくて、かわいい笑顔にドキッとしたのを覚えてる。 おじいさまは、僕に言った。 「あの方が、将来祐希がお仕えするご主人様だ。おじいちゃんが言ってることをちゃんと守って、良い執事になりなさい。わかったね?祐希 」 僕は「はい」と返事をした。 生まれた時から、僕の将来の選択肢は〝ご主人様の良い執事になること〟の一択しかなかったから。 「祐希!今日、学校の友達を呼んでレポートを作るから、なんか軽い食べ物とか用意しててくれない?」 僕のご主人様....まだ大学生の神月大貴は、僕に向かってにっこり笑って言う。 まだ代替わりはしてないから、正式なご主人様ではないけど、僕は執事として大貴に仕えている。 「かしこまりました。 お時間が遅くなるようでしたら、アルコールをご準備いたしましょうか?」 「あ、そうだなぁ....一応準備しててもらえる?」 「かしこまりました」 「じゃ、行ってきます!」 「行ってらっしゃいませ、大貴様」 僕はそう言って、深く一礼する。 僕の耳に大貴の「もーっ!大貴でいいってーっ!」という声が入ってきた。 思わず、口元がにやけてしまう。 大貴が大学に行ってから、僕は結構忙しい。 大貴の部屋の掃除や消耗品の補充。 今日の予定を給仕長に伝えて、他の使用人と情報を共有する。 それが終わったら自分の勉強をして、大貴が帰ってくる時間にすべてが行き届くように準備する。 執事になって気が付いたんだけど、執事って、地味でハードだ。 でも、僕はラッキーだ。 だって、大貴がご主人様だから。 気さくで明るくて、優しい。 中にはイジワルな方もいるって聞いていたから、大貴がご主人様で本当よかったって思ってる。 大貴の大学の友達は、お酒を飲んで、いい気分になって23時頃帰って行った。 僕は、大貴の部屋の片付けに入る。 あぁ、結構散らかしたな....。 大貴はというと、ベッドにうつ伏せに倒れこんで寝ていた。 結構、飲んだんだろうなぁ。 楽しそうな声が聞こえてたし。 僕は、大貴にそっとキルトをかけると、大急ぎで部屋の片付けをした。 片付けが終わって、もう一度部屋に戻ると、大貴はまだ寝ていた。 「大貴様、大貴様」 呼びかけても一向に起きない。 僕は大貴の肩を軽く揺さぶる。 「大貴様、風邪をめされますよ」 突然、僕は大貴に手首を掴まれた。 「祐希?」 大貴が、ゆっくり目を開けた。 「大貴様?....わっ!?」 僕は、大貴に強く手首を引っ張られて、ベッドの上に押し倒されてしまった。 大貴が僕の両手首を強く握って、マットレスに押し付ける。 「大貴様!?ちょっ....何を....なさいますか?」 「....祐希、大貴でいいっていってんじゃん」 「....離していただけませんか?....手が痛いです....」 「....俺、祐希がたまらなく好きなんだけど」 えっ?今なんて?....なんて言った? 「....酔って....いらっしゃいますか?....大貴様」 「だから!!大貴でいいって!!」 大貴の大きな声に、僕はビックリした。 その目は真っ直ぐで、迷いなく僕を見つめている。 冗談でこんなことをしているわけではなさそうだった。 すると、大貴は急に唇を重ねてきた。 「....んっ!...」 僕は思わず声を出して、抵抗しようと力を入れる。 次の瞬間、おじいさまのあの言葉が、頭の中をよぎったんだ。 〝ご主人様の要求には必ず完全に答え、たとえそれが無理難題であったとしても、眉一つ動かさず、職務を遂行しなければならない〟 ....抵抗したら、いけない....!....。 大貴は抵抗しない僕の舌に自分の舌を激しく絡ませる。 ....我慢すればするほど、押さえつけられた手や体に思わず力が入ってしまう。 大貴は唇を離すとそのままの勢いで、熱い唇を僕の首筋に這わせはじめた。 「....!!....!!」 僕は下唇を噛んで、声が出そうになるのを必死で抑えた。 僕の体は、言い知れぬ不安と恐怖で震えている....。 その後、大貴は僕の服を乱暴に脱がすと、僕の体のあらゆるところを舌で愛撫したり手で刺激したりした。 僕は手で口を押さえて、声が出ないように....涙が出ないように....必死で我慢する。 ついには、自分のものを強引に僕の中に入れてきた....。 ....痛くて、苦しくて、怖くて.... 激しく動くたび、僕は両腕で大貴から見えないように顔を隠して....ひたすら耐えることしかできなかった....。 長く....とても長く、感じた。 大貴が疲れて寝てしまって、僕はようやく解放された。 僕は裸の大貴にそっとガウンを着せ、シーツを整え、キルトを掛ける。 そして、乱暴に脱がされた服を着て、部屋を出た。 パタン。 「....!....」 廊下に出た瞬間、僕の目から涙があふれ出す。 我慢してきた感情が、涙と一緒に流れ出たようだった。 口を手で押さえて、泣き声を押し殺す。 ....大貴の痕跡が残る僕の体は....震えていた。 ✴︎ 俺は....なんてことをしてしまったんだ....。 朝、目覚めると、俺には後悔しか残っていなかった。 昨夜の記憶が鮮明に蘇る。 俺の体に祐希の肌の感覚が、まだ残ってる...。 細くてしなやかな祐希の体....。 たまらなくキレイで、温かくて。 ずっと触っていたかった。 お酒を飲んで、酔っ払って熱くなってしまった俺の体に、祐希の手が優しく触れた瞬間、日頃の押し込んでいた気持ちが表に出てしまった。 俺は祐希の優しい笑顔が、真っ直ぐ俺を見つめる黒い瞳が、凛とした声が....祐希のなにもかもが好きだ。 だから、俺のものにしたくて、強引に押し倒して、乱暴に奪ってしまった。 頭のどこかで〝きっと祐希は、絶対抵抗しない〟って考えがあったのかもしれない。 俺が祐希を抱いている間。 祐希はずっと腕で顔を隠していた。 喘ぎ声すら漏らさず....涙すら流さず....。 ただずっと、細い体を震わせながら、下唇を噛みしめて、我慢していた....。 結果、俺は大事な祐希を傷つけてしまっていた。 「おはようございます、大貴様。お加減はいかがですか?」 いつもの凛とした祐希の声が、俺の部屋に響く。 「....あぁ、大丈夫だよ。おはよう、祐希」 俺は、祐希を見た。 いつもの、祐希。 優しい笑顔を浮かべて、僕を真っ直ぐ見つめる。 でも....目が赤い....瞼がはれてる....。 「昨夜はおつかれのようでしたので、お風呂のご準備をしていますが、いかがなさいますか?」 「じゃあ、入ろうかな」 「かしこまりました」 祐希が軽く一礼する。 「祐希!」 俺はたまらなくなって、祐希の手首を掴んでしまった。 一瞬....ほんの一瞬......祐希がビクッとして、泣きそうな顔をした。 ....でも、すぐいつもの優しい笑顔に戻る。 「昨夜は、ゴメン....祐希。体は大丈夫?....」 「....気になさらないください。私は大丈夫です」 そう言って、俺から目をそらすと、その細い手首から俺の手をそっとはずして、優しく握った。 そして、俺の目を見てふわっと笑うと、軽く一礼して仕事に戻っていった。 俺は、胸がこれ以上ないってくらい苦しくなった。 「今日は午後に、中国から私のビジネスパートナーがみえられるから、きちんとした格好をしとくんだぞ」 父さんは、厳しい口調で言った。 「わかりました」 きっと、普段の俺の格好を遠回しに批判してるに違いない。 「あと、その方のご子息も一緒に来るそうだから、大貴。お前、相手をしてさしあげろ」 そんなこと言うから、小さい子かと思った。 後で祐希に聞いたら、俺とあんまり年が変わらない〝ご子息〟ということが判明して、一気に力が抜けた。 「祐希、スーツとネクタイ、何種類か出しててくれる?」 「かしこまりました」 あれ? 祐希の頰が少し赤い。 「祐希、顔が赤いよ?大丈夫?」 「....えっ?....本当ですか?....なんともないんですが....後ほど顔を洗ってまいります」 そう言うと、祐希は黒い瞳を見開いて、頰に手を当てた。 その表情が、仕草が、また俺をドキドキさせる。 ラウ・シンファ 中国からきたその〝ご子息〟は、背が高くて、目もとが涼しげな、かなりのイケメンだった。 俺も背が高い方だけど、俺より10㎝くらい高い気がする。 話をしてると穏やかで、色んな話の引き出しがあって、頭の回転が速いのがわかる。 「彼は、あなたのバトラーですか?」 シンファが、お茶を淹れに来た祐希を見て言う。 「そうです。私とあまり年も変わらないんですけど、とっても優秀で。いつも助けられてます。祐希ご挨拶を」 祐希は優しく笑顔を浮かべると、軽く一礼した。 「執事の桐野祐希と申します」 シンファは「よろしく」と言うと、祐希の手を軽く握った。 俺はビックリした。 祐希は少し目を見開いて、そして優しく笑ってその手をスッと離した。 凛とした声で「失礼します」と言うと、俺たちから離れていった。 「彼、とても優秀ですね。そして、とてもキレイです。僕も彼のようなバトラーが欲しいです」 シンファは、祐希の姿をずっと目で追っていた。 俺は、ちょっと、イヤな予感がしたんだ。 ✴︎ 大貴に「顔が赤い」って、言われてから気付いた。 なんだか熱っぽい....。 そんなに熱も高くないし、立てないほどキツくもないし....今日はゆっくり寝よう。 「祐希さん」 バーカウンターで酒類の整理をしていたら、声を掛けられた。 「ラウ・シンファ様」 僕は作業の手を止めて、中国からきた御曹司に向き直る。 「いかがなさいましたか?」 「ここのお屋敷は広いから、迷子になっちゃいました」 「それでは、ご案内いたします....」 僕が動こうとした瞬間、シンファの腕がスッと伸びて、僕の進路をふさいだ。 思わず見上げると、シンファは僕の右肩を強く掴んで壁に押し付けた。 右肩が....痛い....。 「シンファ様....手を離していただけますか?」 僕の言葉に、シンファは顔を近づけてくる。 僕はとっさに、顔をそらしてしまった。 「僕、あなたを気に入ってしまいました」 「....恐れ入ります」 「だから、僕と一緒に中国に行きませんか?」 「....申し訳ございません。おっしゃってる意味が....分かりかねるのですが....」 「ここの報酬の倍は出します。いいでしょう?」 「お気持ちはありがたいのですが、お断りいたします。私にはもったいないお話ですので....」 シンファは、僕のあごに手を添えると、いきなり唇を重ねてきた。 ....僕はありったけの力で、シンファを押す。 ....シンファの唇からはなんとか逃げられた。 でも、今度は両手で強く両肩を壁に押し付けられて、完全に身動きが取れなくなってしまった。 「バトラーって、〝ご主人様〟には絶対服従なんですよね?」 シンファが僕の目を見て言う。 その言葉で、僕の頭は急に熱くなったんだ....。 僕の.....僕の、ご主人様は、あなたじゃない! 僕は、シンファの目を見返していった。 「あなたは、私の〝ご主人様〟ではありません!失礼なことをしないでいただけますか!」 そう僕が言い切ると、目の前に見慣れた手が現れた。 「あんまり、私の執事をイジメないでもらえませんか?」 大貴......!! 僕は、ホッとして力が抜ける。 シンファは、僕の肩から手を離した。 「あまりにも彼を気に入ってしまったんで、スカウトしたんですけど....断られてしまいました」 「彼は私の大切な執事....大事な人ですから、絶対渡しませんよ」 ....僕は、大貴のその言葉が、死ぬほど嬉しかったんだ。 シンファが部屋から出て行って、大貴が僕に向き直る。 「祐希!大丈夫?!なんもされてない?!」 僕の頭は、ものすごく、ぼんやりしていた。 「....あっ、....えっと....キス....されて、しまいました....ごめん、なさい....大貴.....」 僕の視界がグラっと傾く。 「祐希!!祐希!!」 大貴の僕を呼ぶ声が、だんだん遠くなる....。 真っ暗になって、何も考えられなかった。 ✴︎ 俺は、祐希を探していた。 シンファが目を離した隙にどこかへフラっと、いなくなってしまったから。 ....イヤな予感がする。 祐希を見るシンファの目が気になってしょうがない。 きっと、祐希を探しているハズだ。 昨日、祐希にあんなことをしてしまったから.... ....祐希がいなくなってしまったら、どうしよう。 シンファに着いて行ってしまったら、どうしよう....。 屋敷中走り回って、バーカウンターで人の気配がした。 シンファと祐希だ。 ....様子がおかしい...,。 シンファが祐希を壁に押し付けている。 ....心がざわざわした。 「あなたは、私の〝ご主人様〟ではありません!失礼なことをしないでいただけますか!」 自分より大きな男に押さえつけられて、身動きが取れないのに、祐希は強い瞳で見返して、ハッキリ言った....。 その状況を目の当たりにして、俺は頭に血がのぼってしまった。 すぐさま殴りたかったけど、祐希にそんなところを見せたくなくて、我慢して紳士的に振る舞った。 シンファが部屋から出ると、俺は祐希に向き直る。 その黒い瞳は潤んでいて、息が荒い....頰もさっきより赤い....。 「祐希!大丈夫?!なんもされてない?!」 祐希は焦点が合わない目を漂わせている。 「....あっ、....えっと....キス....されて、しまいました....ごめん、なさい....大貴....」 そう言い終わるか終わらないか、祐希の体が大きく傾いて、思わず俺は祐希を抱きしめた。 体が....体が、すごく熱いっ!! 「祐希!!祐希!!」 祐希は俺の問いかけに答えることもなく、俺の腕の中でぐったりしていた。 「愚息が粗相をいたしまして、申し訳ございません。大貴様」 俺は祐希のお父さん、いわゆる、俺の父さんの執事に謝られてしまった。 「俺が昨日、遅くまで付き合わせてしまったから....俺のせいなんだ....祐希に悪いことしちゃったんだ」 俺は、ベッドで苦しそうに寝ている祐希に目をやった。 「もう少し、俺、祐希に付き添いたいんだけど....」 「かしこまりました。大貴様、無理はなされませんよう」 2人っきりになった祐希の小さな部屋には、祐希の息づかいだけが響く。 祐希の部屋は必要最低限の物しかなかったけど、本は沢山あった。 語学や時事、各国のマナーやタブー。 ラップトップには、細かい字で書かれた付箋がたくさん貼ってある。 きっと何を聞かれても答えられるように。 俺に恥をかかせないように。 祐希は一生懸命、勉強していたんだ。 机には、俺のスケジュール。 細かくメモが書きこまれている。 俺の好きなもの、キライなもの。 俺の行動を逆算して、スムーズに動けるように細かく書き込まれた時間。 〝今日はなんだか元気がなかった。明日起床時に確認する〟 〝朝食を少し残された。帰宅時に体調の確認をする〟 その日にあった、ちょっとした俺の異変まで事細かく。 祐希の努力は、すべては俺のためのものなんだ。 祐希は俺のために、執事として最大限の努力をしていたのに、俺は自分の欲情だけを祐希にぶつけてしまった....。 なんて、取り返しのつかないことをしてしまったんだ....。 俺は祐希の熱い手を握りしめて、泣いてしまった....。 「長いことお休みをいただいて、申し訳ございません」 祐希は3日ぶりに俺のところに帰ってきた。 たった3日間だったのに、俺にはとても長く感じた。 そしてもともと細い祐希の体は、3日間でさらに細くなっていた。 それでも、俺にあの優しい笑顔をくれる。 俺は....胸がたまらなく苦しくなった。 「いかがなさいましたか?」 「どうして?」 「先程から、私の方ばかり見ていらっしゃいます。私の顔に何か付いていますか?」 「祐希」 俺は、お茶の準備をしている祐希の手を握って言った。 「ちょっと、座って。話したいことがある」 「祐希、この間は酷いことしてゴメン。俺は、自分の事だけ考えてしまってて、祐希がどんなに辛かったか、怖かったか考えてなかったんだ。 本当にゴメン....」 祐希は俺の手をソッと握って、優しく笑う。 「....恐縮です。 ....私も....お伝えしたいことがあるんです。 ....私は、執事失格なんです....。 祖父の言葉も何一つ守れてない。 あなたに強く抱かれて、あなたのことが怖くなってしまって....。 もう、あなたの執事としてやっていく自身がなくなって....。 でも、あの時、あなたはおっしゃいました。 〝彼は私の大切な執事....大事な人ですから、絶対渡しませんよ〟って。 私はすごく嬉しかったんです。 こんな私でも、必要としてくださるんだって」 そう言うと、祐希の瞳から涙があふれた。 祐希の細い肩が、震えている。 俺は思わず、祐希を抱きしめる。 祐希は俺の腕にしがみついて泣き出した。 祐希が落ち着いて、そして、キスをした。 優しく、深く、舌を絡める。 唇を離すと、お互い軽く笑った。 俺は自分のおでこを祐希のおでこをくっつけて言った。 「祐希、愛してる....これからも俺の側にいて」 祐希は、俺に黒い瞳を真っ直ぐ向けて頷いた。 「はい、ご主人様」 再び、唇を重ねる。 俺が祐希の首筋に舌を這わせようとしたとき、祐希は俺の耳元で囁いた。 「....今度は、優しくして....くださいますか?」 俺は苦笑いして言う。 「もちろん」 そのままベッドにそっと2人で体を倒す。 祐希が声を出すまいと、手を口に押し当てた。 俺はその手をそっとはずす。 「声、出していいよ。....俺に感じて....」 祐希は瞳を見開いて俺を真っ直ぐ見つめた。 その瞳に涙がたまってきている。 「祐希、好きだ」 俺は、祐希のシャツをゆっくりひらいて、首筋にキスをする。 そしてキレイな鎖骨までゆっくり舌で刺激する。 「.....あっ..........あぁ....」 祐希の体も、この間みたいに震えることはなかった。 今まで押し殺していた、祐希の感じている声や触れる度に反応する体が、俺を今までないくらい興奮させている。 お互いの体の感覚と心の感覚が共鳴した瞬間だったのかもしれない。 そして、俺たちは一つになる....。 「祐希、大丈夫?」 いっぱい感じて疲れたのか、祐希は俺の肩に頭をくっつけて目を閉じていた。 俺の言葉に目を開けると、俺を見て優しく笑った。 「ありがとうございます。大丈夫です。....私、そろそろ仕事に戻らないと....」 祐希が俺に背を向けて行こうとする。 「ちょっと、待って」 俺は祐希の肩を力を込めずに掴んで、後ろからその首筋にキスをした。 思わず「んっ....」と声を漏らした祐希は、肩ごしに振り返って、恥ずかしそうに笑って言った。 「心から愛してます。....ご主人様」

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