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16 この恋の戦いは、(終)

   『山田の庭』103号室。  104号室の自分の部屋の隣の部屋のリビング、開けた窓から冬間近を感じさせる肌寒い風を身に受けながらも、オレは後ろからでもハッピーオーラ全開、今にもスキップしそうなすぐるの背中を見つめる。そして、 「――…とりあえず。この恋の戦いは、まだまだ終わりそうにもない…か」  そう言葉にはしつつも、オレの心はどこか楽しげで。  この先も続くであろう熱きバトルに備え。  まずはこの後ご満悦な笑みで帰ってくること確実の恋人で、未来の旦那なオタクすぎる青年に、めいいっぱいえっちに甘えてやろう、と密かに決意するのであった。    

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