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第1話
12月に入り、冬の寒さもとうとう本格的になってきた。凍えるような外の寒さは全くわからないほど、エアコンで暖められた教室での講義は半数以上の生徒が机に伏せている。眠いと有名な僕の講義は、みんなして寝に来るも同然だった。
ふぁ、とあくびを漏らした、最前列の端に座る生徒と目が合った。
なんとなくの気まずさから咳払いを1つして目を逸らした。ふと外を見ると窓の結露からうっすらともみの木の緑が覗いていた。もう、クリスマスの季節だ…。
『お前、気持ち悪いんだよ』
昔の記憶がふと蘇る。だめだ講義に集中しなきゃ、と頭を振って、鮮明な記憶を無理矢理振り払って誰も聞いてやいない講義を続けた。
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