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第3話

良介side ピンポーン 「こんにちは。京極君の同じクラスの鏑木です。 京極君いらっしゃいますか?」 予想はついていたのだが京極は教室にはいなかった。 面倒なのだがこれはこれで手間が省けるよ。 別に京極と直接関係を作らなくて良いのだ。 そう、理事長が俺がやっているということを認識さえしてくれていたら よくいる会社の営業が 「今日はこれだけ回りましたー」 と名刺を貯めるみたいにな。 「あ、ハヤトなら今日家にいませんよ」 もう一度くらい来ましたアピールだけして帰ろうとしたら、背後から一人の少年が声をかけてきた。 「あ、こんにちは。僕はこの家の人間です。 京極一といいます。 ハヤト、そもそも家にあまり帰ってこないというか。 だから来ても無駄足になっちゃいます。」 京極ハヤトとはあまり似ているとは言えない少年 吊り目に知性の滲み出た眼鏡 あれはウチと競合している名門校の制服か。 「あ、弟さんですか?ハヤト君と同じクラスの人間です。そうですかそれは残念ですね」 何とも悲しげな顔をして「また来ます」と去ろうとしたら 「父にはちゃんと言っておきますので もう来なくていいですよ。」 そう何もかも見透かしたような目で見つめてきた。 圧が...というか無駄に面倒に巻き込まれたような?

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